青赤ベゼルといえばGMTマスターという腕時計のアイコン的存在。
1955年にGMTマスター6542が誕生して以来、2色に塗り分けられたベゼルは伝統的な要素としてGMTマスターには無くてはならない個性です。
しかし2007年、6桁リファレンスの116710LNとなった際、ラインナップされたのは黒ベゼルのみ。
5桁時代において黒ベゼルこそ最も人気のモデルでしたが、黒一色となった6桁時代以降は色付きベゼルのほうが人気があります。
実際、2013年に登場した黒青ベゼルの116710BLNRは今でも登場時の相場以上にすごい額で取引されていますし、サブマリーナの緑モデル“LV”も同じような相場です。さらに両者は、同一モデルの黒ベゼル“LN”と比較して20万円以上高いのです。
GMTマスターの伝統的な色は“青赤”であり、現在もっとも人気な5桁の色合いも青赤。
5桁時代の黒赤ベゼルは青赤と比べると人気が乏しいため、黒青ベゼルである116710BLNRも青赤ベゼルが出たら値下がり現象になるかと思われました。
そして、ロレックスはその人気を知ってか青赤ベゼルをホワイトゴールド限定の色合いとして復活。
公式に青赤ベゼルは最も“価値ある”配色となったのです。
また、青赤ベゼルがステンレス仕様で出なかったというのは116710BLNRの値下がりを制御するという効果もありました。
ゆえに現在、黒青ベゼルはデビュー時と比べても値上がり状態なのに、青赤ベゼルは約45万円という値下がり状態となっているのです。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2015年5月 の新品価格(時計店5社平均) |
2017年1月 の新品価格(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
GMTマスター2 116719BLRO |
新品 | 1年 8ヶ月 |
¥3,490,516 | ¥3,039,600 | -450,916 | 87.08% |
ホワイトゴールドの青赤ベゼルが登場時より値下がりするという現象は、仕方のないことだと思います。
約350万円という高価格帯のモデルの需要は明らかに約100万円というステンレスと比べて低いため、ニュース製も落ち着いてきた現在、新品が大きく値下がりしたというのは自然な現象です。
また気になるのは、ステンレスモデルのベゼル色が増えるか否か。
もしも増えた場合、おそらくBLNRへの注目が薄れ、その分BLROのホワイトゴールドという存在が強くなると思います。
ただしその場合でもBLROが急に値上がりするとは考えづらいのは確か。
本来、ホワイトゴールドの青赤ベゼルは、デイデイトのアイスブルー文字盤並に憧れられるモデルという存在なはず。しかし、そのポジションは現在黒青ベゼルのステンレスモデルにとられてしまっている状態なので、それが解消されるということはまだ先の模様です。