腕時計投資新聞

腕時計の[買う・使う・売る]すべてを楽しむ専門サイト「腕時計投資ドットコム」
現在相場考察

角型モデルはお買い得、パテックフィリップゴンドーロ5111G

2017年2月1日更新
パテックフィリップのについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2016年春頃の安値(タイムトンネル)と2017年1月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。このでの変動は¥100,200だった。

ゴンドーロ 5111Gについての考察(2017年1月)

角型+金無垢の腕時計といえば、一番先にイメージするのはジャガールクルトレベルソではないでしょうか。

角型の腕時計って数がありそうに見えますが、実際はそこまで多くなく、特に角型+金無垢となると、レベルソタンクアメリカンあたりが伝統ある有名モデルだと思います。

パテックフィリップという強いブランドであるにもかかわらず、角型セグメントのゴンドーロが強い人気モデルとなっていない理由は、実はゴンドーロというモデルの歴史に関連しているかもしれません。

一見、歴史あるモデルにも見えなくないゴンドーロですが、登場したのは1993年と意外にも新しい部類。

とはいえ、同じく90年代にデビューしたアクアノートは人気モデルとなっているため、新しいシリーズだからといって弱いモデルという理由にはならないかもしれません。

しかし、アクアノートのようなパテックフィリップ初のカジュアルスポーツという分かりやすいキャラクターとは異なり、フォーマル系であるゴンドーロの事情はアクアノートと異なると思います。

もう一つ考えられるのは、パテックフィリップのテコ入れが終わっていないという可能性。

ノーチラスといえば、現在は大人気モデルとして有名ですが、1970年代にデビューしてから約30年経った2000年頃において、パッとしないモデルという扱いだったのです。

そして、ノーチラスが人気となるまでに、パテックフィリップはパワリザモデルを作ったり、裏スケ化をするなどの試行錯誤を行っているのです。

よって、ゴンドーロというシリーズにおいては、まだまだ試行錯誤の途中ととることもできます。

ただしゴンドーロ、実は2000年代前半にテコ入れがされており、ベーシックモデルのデザイン変更と10デイズというグランドコンプリケーションの導入をしています。

その際、10デイズについてはかなりインパクトがあり「すごいモデル」という印象をユーザーに与えることに成功したのですが、通常モデルについてはそこまで話題とはなりませんでした。

そして、その際新しいデザインとなったゴンドーロは、今では90年代にあったモデルと似たようなデザインに戻っているのです。

しかしこの2000年代前半にモダンな方向となったモデル、当時も今も人気がないのですが、なかなか魅力的だと思います。

そしてパテックフィリップが全体的に高い今において、比較的新し目のモデルであるにも関わらず約130万円という相場なのです。

(現在参考の腕時計がありません)

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2016年春頃の安値(タイムトンネル) 2017年1月
の安値(楽天)
変動額 残価率
パテックフィリップ
ゴンドーロ
5111G
中古 1 ¥1,199,800 ¥1,300,000 100,200 108.35%

この時計の価格としてこの額は不思議と安く感じます。

実際、同じ価格でこれより人気が高いカラトラバ5000が手に入るのですが、過去の価格と比べると5000はもっと安い相場だったため、ゴンドーロ5111の現在価格は安く感じるのです。

実際、昨年約120万円という額で販売されていた際、すぐに売れてしまっていました。

ですから、この時計においてこれぐらいの相場は適正価格だということになります。

昨年の価格と比較して、値上がり額が10万円となっていますが、相場に変化はないと考えるのが無難だと思います。

かつて、80万円台で販売されていたノーチラスが200万円となるように、今後この時計が値上がりしていくかはわかりませんが、現在の価格が魅力的であることに違いは無いと思います。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
本コンテンツには、主観的評価、見解、想定における情報が含まれています。運営者及びコンテンツ提供者は、コンテンツ内容の正確性、確実性、完全性における保証を行いません。また、コンテンツ内容にかかわる損害・トラブル等に関する一切の責任を負いません。本サイトに記載されている情報は、特に断り書きがない限り、更新日時点での情報に基づいています。