角型+金無垢の腕時計といえば、一番先にイメージするのはジャガールクルトのレベルソではないでしょうか。
角型の腕時計って数がありそうに見えますが、実際はそこまで多くなく、特に角型+金無垢となると、レベルソやタンクアメリカンあたりが伝統ある有名モデルだと思います。
パテックフィリップという強いブランドであるにもかかわらず、角型セグメントの「ゴンドーロ」が強い人気モデルとなっていない理由は、実はゴンドーロというモデルの歴史に関連しているかもしれません。
一見、歴史あるモデルにも見えなくないゴンドーロですが、登場したのは1993年と意外にも新しい部類。
とはいえ、同じく90年代にデビューしたアクアノートは人気モデルとなっているため、新しいシリーズだからといって弱いモデルという理由にはならないかもしれません。
しかし、アクアノートのような“パテックフィリップ初のカジュアルスポーツ”という分かりやすいキャラクターとは異なり、フォーマル系であるゴンドーロの事情はアクアノートと異なると思います。
もう一つ考えられるのは、パテックフィリップのテコ入れが終わっていないという可能性。
ノーチラスといえば、現在は大人気モデルとして有名ですが、1970年代にデビューしてから約30年経った2000年頃において、パッとしないモデルという扱いだったのです。
そして、ノーチラスが人気となるまでに、パテックフィリップはパワリザモデルを作ったり、裏スケ化をするなどの試行錯誤を行っているのです。
よって、ゴンドーロというシリーズにおいては、まだまだ試行錯誤の途中ととることもできます。
ただしゴンドーロ、実は2000年代前半にテコ入れがされており、ベーシックモデルのデザイン変更と10デイズというグランドコンプリケーションの導入をしています。
その際、10デイズについてはかなりインパクトがあり「すごいモデル」という印象をユーザーに与えることに成功したのですが、通常モデルについてはそこまで話題とはなりませんでした。
そして、その際新しいデザインとなったゴンドーロは、今では90年代にあったモデルと似たようなデザインに戻っているのです。
しかしこの2000年代前半にモダンな方向となったモデル、当時も今も人気がないのですが、なかなか魅力的だと思います。
そしてパテックフィリップが全体的に高い今において、比較的新し目のモデルであるにも関わらず約130万円という相場なのです。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2016年春頃の安値(タイムトンネル) | 2017年1月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
ゴンドーロ 5111G |
中古 | 1 | ¥1,199,800 | ¥1,300,000 | 100,200 | 108.35% |
この時計の価格としてこの額は不思議と安く感じます。
実際、同じ価格でこれより人気が高いカラトラバの5000が手に入るのですが、過去の価格と比べると5000はもっと安い相場だったため、ゴンドーロ5111の現在価格は安く感じるのです。
実際、昨年約120万円という額で販売されていた際、すぐに売れてしまっていました。
ですから、この時計においてこれぐらいの相場は適正価格だということになります。
昨年の価格と比較して、値上がり額が10万円となっていますが、相場に変化はないと考えるのが無難だと思います。
かつて、80万円台で販売されていたノーチラスが200万円となるように、今後この時計が値上がりしていくかはわかりませんが、現在の価格が魅力的であることに違いは無いと思います。