1996年にヴァシュロンコンスタンタンのスポーツモデルとして登場したオーバーシーズは、登場から10年に満たないタイミングで二代目へモデルチェンジされました。
2016年には三代目モデルが登場し、初代と一見見た目が似ている二代目モデルはあまり注目されないポジションとなってしまっています。
2004年に登場したこの二代目モデルにおける初代との大きな差は、ケースの大きさです。
当時はパネライブームの影響で、多くの腕時計が大型化する傾向。
パネライと同じくリシュモングループのヴァシュロンコンスタンタンもその例にもれず、かなりの大型化をしたのです。
初代では35mmがミディアム、37mmがラージという大きさですが、それに対して二代目モデルは37mmと42mm。
42mmのモデルは正確には42.5mmというサイズのため、この手のドレッシー系スポーツモデルとしてはかなりの大きい時計となりました。
その他の大きな違いとして、ムーブメントも変更されており、初代の3針モデルがジラールペルゴベースのムーブメントだったのに対して、この二代目モデルはジャガールクルトベースへと変化したのです。
見た目が大きく中身も豪華になった結果、流通価格も初代と比べて高くなりました。
初代は2010年頃においてラージの自動巻モデルでも30万円台という“雲上”としてふさわしくない値段で売られていることもあったのに対して、二代目の47040は70万円以上と“雲上”に見合った相場。
そして、そこから今年にかけて30万円近い値上がりを果たした二代目モデルは、投資対象としてなかなか魅力的な1本でした。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2010年9月 の安値(ヤフオク) |
2017年2月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ヴァシュロンコンスタンタン
オーバーシーズ 黒文字盤 47040/B01A |
中古 | 6年 5ヶ月 |
¥714,000 | ¥999,800 | 285,800 | 140.03% |
初代モデルと二代目モデルにおける価格差は、クロノグラフより3針モデルのほうがある傾向。
初代の3針モデルは先程のように安いときには30万円台という相場ですが、クロノグラフは安い時期でも80万円程度とかなり高めのモデルなのです。
初代モデルのクロノグラフは、オーバーシーズ登場から3年後の1999年に追加され、フレデリックピゲ製の高級ムーブメントを使用し、ビックデイトを採用した見た目も高級感のある存在。
また、ケースの大きさも40mmと存在感があり高い相場を維持したモデルでした。
よって、人気要素が盛り込まれていたクロノグラフは二代目へのモデルチェンジにあたり変更する箇所が少なく、初代と二代目モデルとでは差が少ないため相場の差も少ないのです。
オーバーシーズは初代のイメージからか、クロノグラフが注目される傾向ですが、二代目の3針モデルもしっかり値上がりをしているかなりの強いモデルなのです。