サブマリーナが5桁時代から6桁時代に変わった際、5桁時代の良さが失われた点として最も有名なのは“マットな文字盤”になってしまった青サブです。
しかし、その青サブはモデルチェンジから早い段階で5桁時代のようにキラっと光る文字盤に変更。
最も目立っていた“残念要素”である青サブが改変されたことで、6桁時代のロレックスに失われた要素は無くなったようにも思います。
けれども、失われたものはもう一つあるのです。
それがこの、サファイア+ダイヤの文字盤「SG」です。
「SG」モデルは5桁時代にのみ、コンビの16613SGと金無垢の16618SGに設定された豪華な文字盤。
また通常の16613とは異なり、文字盤色が「SG」独自の色という特徴も魅力的なポイントです。
シャンパンかグレーという2種類の文字盤が設定されているのですが、これら文字盤による価格差は時期によって異なり、シャンパンが高い時もあれば逆のときもあります。
また、コンビだとグレーが高いのに金無垢だとシャンパンが高いということもあり、一概にどちらの文字盤が人気というわけではありません。
この美しいサファイア+ダイヤの文字盤は、現行モデルでは存在しないレア要素となったため、一体どのぐらい値上がりしてくれたのかと思ったら、その額30万円程度。
30万円の値上がりというとすごい額にも思えますが、実はこれ、「SG」でない通常の青サブ16613と同じ値上がり額なのです。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2010年4月 の安値(ヤフオク) |
2017年2月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
サブマリーナ シャンパン文字盤 16613SG |
中古 | 6年 10ヶ月 |
¥522,900 | ¥832,800 | 309,900 | 159.27% |
116613LBの文字盤がマットだった頃、美しい文字盤として評判の高い青サブを手に入れようと思ったら5桁時代の16613を手に入れるしかありませんでした。
しかし、今となっては現行モデルの116613LBが5桁時代と同じような文字盤となっているため、16613自体の存在価値は以前より低下したはずです。
ですから、5桁時代にしかない希少かつ人気要素を備えた「16613SG」が「16613」と同じ値上がり額というのは、惜しく感じるのです。
実際この16613SG、非常に魅力的なモデルというだけでなく、定価も文字盤単品価格も16613よりだいぶ高級なモデル。
過去も今も通常の16613との価格差は15万円程度ですから、この文字盤における市場評価は約15万円ということになります。
ちなみにパネライの場合、ルミノールベースの通常文字盤と希少ダイヤ文字盤の価格差は約150万円。
さすがに、そこまでの価格差になるとは思えませんが、今の15万円程度というSGに対する評価はもう少し上がっても良い気がします。
なお16613は、SGモデル含めてバックルが前期のステンレスタイプか後期のコンビタイプかで相場が異なるため、今回は前期バックルのX番という比較的古めのモデルで比較しています。