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現在相場考察

裏スケでもこの耐磁性能、オメガ『シーマスター』15000ガウス

2017年2月19日更新
オメガのシーマスター231.10.42.21.01.002について斉藤由貴生が執筆。本記事では2016年2月の安値(ヤフオク)と2017年2月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この1年0ヶ月での変動は¥4,300だった。

シーマスター アクアテラ 15000ガウス 231.10.42.21.01.002についての考察(2017年2月)

シーマスターといえばオメガダイバーズウォッチですが、かつて20万円以下で販売されていた頃の印象が強いモデルです。

当時の主なラインナップは300mと120m。ヘリウムバブルを備え、本格的なダイバーズウォッチという見た目の300mに対してドレッシーな120m。

どちらも機械はETAを搭載していたのですが、価格と内容が見合っているため、とても人気だったモデルです。

2000年代前半までオメガは他社製の機械のみのラインナップという印象があり、今でもオメガに対してマニュファクチュールであることを期待している人は多くない印象です。

しかし、99年よりオメガコーアクシャル脱進機」を売りにしたモデルを展開。

2001年には、シーマスターにもコーアクシャルモデルを投入します。

その際登場したのは、アクアテラという名がつくモデルで、それまでのシーマスターとは一線を画するモデルです。

それから今にかけて、オメガはよりムーブメント開発により力を注入。

そして、ついに2013年には全く新しいアプローチの耐磁モデルを登場させました。

それがこの15000ガウスにまで耐えられるモデルであり、ロレックスミルガウスの15倍強い磁気にまで耐えられるというトンデモナイ性能です。

従来の耐磁時計はインナーケースでムーブメントを保護するという方法が取られたのに対し、オメガのアプローチはムーブメントを構成する素材を磁気に強いモノにするという発想。

結果、ミルガウスの15倍磁気に強いのにも関わらず、裏スケを実現しているのです。

ということでこのモデルは出た当時も今も、かつてのシーマスターでは考えられないぐらい高い相場を維持。

この蜂の毒針のような秒針のデザインが特別さを感じさせ、見た目も魅力的なモデルだと思います。

(現在参考の腕時計がありません)

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2016年2月
の安値(ヤフオク)
2017年2月
の安値(楽天)
変動額 残価率
オメガ
シーマスター
アクアテラ
15000ガウス
231.10.42.21.01.002
中古 1年
0ヶ月
¥371,000 ¥375,300 4,300 101.16%

マニュファクチュール化されるなどすると新品価格が高くなりますが、それは一時的な現象で数年で値下がり現象となってしまうモデルは多々あります。

しかし、このシーマスター15000ガウスは、その驚くべき性能と見た目のインパクトによりデビューから4年経った今でも高い価格を維持しており、単にマニュファクチュール化された時計とは印象が異なるのです。

けれども、オメガはこの15000ガウスに耐えられる耐磁モデルを他のアクアテラにも投入

今では、この毒針のような秒針を持つ個体は特別とは言えなくなってしまいました。

よって機能的には、オンリーワンではなくなってしまったこのモデル。

今後の相場がどうなるか興味深い時計です。

実際、現状の中古相場と新品最安値の価格差が4万円程度という微々たる差になってきていることは無視できません。

とはいえ、初の15000ガウスモデルであるという点と、独特な見た目という強烈なキャクターにより、今後も人気モデルであり続けるのは間違いないでしょう。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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