腕時計投資新聞

腕時計の[買う・使う・売る]すべてを楽しむ専門サイト「腕時計投資ドットコム」
現在相場考察

デイトナ16520黒文字盤の新品価格と現在の中古相場を比較

2017年3月5日更新
ロレックスのデイトナ16520について斉藤由貴生が執筆。本記事では2000年11月の安値(有名時計店2社平均)と2017年3月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この16年4ヶ月での変動は¥390,892だった。

デイトナ 黒文字盤 16520についての考察(2017年3月)

90年代後半からの時計ブームより20年近く、人気度・価格ともに高級腕時計の王者に君臨し続けているデイトナ

今ではステンレスモデルでも定価は100万円以上であり、実勢価格との差は前より少ない傾向。

それでもプレミア価格状態に変わりはありません。

ただ、16520の場合、定価が65万円(税別)だったため、ロレックスブーム時における新品実勢価格と定価の差が激しいモデルでした。

同じ頃、エクスプローラ14270もプレミア価格として有名な存在。しかし、エクスプローラの場合、34万8000円(税別)という定価に対して当時の実勢価格は45万円程度

よって、定価と実勢価格の差が40万円程度という水準だったのがデイトナなのです。

ですから、新品で売られている時代において、「定価より40万円高い状態なのだから、ちょっと経てば65万円以下になる」と考えた方もいるでしょう。

しかし、2017年におけるデイトナの中古価格は、2000年のプレミア価格より遥かに高い水準です。

ロレックス デイトナ 16520¥3,187,000〜¥26,400,000(2024年11月21日現在)

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2000年11月
の安値(有名時計店2社平均)
2017年3月
の安値(楽天)
変動額 残価率
ロレックス
デイトナ
黒文字盤
16520
新品 16年
4ヶ月
¥1,099,508 ¥1,490,400 390,892 135.55%

例えば、1本目に10万円台のオメガ、2本目に30万円台のロレックスを経験した人がいた場合、3本目に買う時計の予算はより高くなるという傾向があります。

2001年頃にポストロレックスとして注目されたパネライとフランクミュラーの当時人気だったモデルの実勢価格もロレックスよりちょっと高いというポジション。

そして、その3本目に買う時計として最もステップアップした選択というのがデイトナだったでしょう。

とはいえ、このデイトナは、先の通り2000年当時でも定価を遥かに上回る実勢価格だったため、お買い得感は皆無だったのです。

しかし、そんな超人気のデイトナを当時何も考えず新品で買ったとしても、その17年後に当時買った価格より高くなっているというのはすごい現象といえるでしょう。

実際、2000年においてエクスプローラやデイトナが90年代前半より遥かに高くなったということは知られていることであったのですが、それは4桁リファレンスの一部モデルに限られるだろう、という漠然とした印象もありました。

よって、当時現行だった5桁リファレンスのロレックスここまで値上がりするとは誰も予測できなかったと思います。

けれども、17年後の今において答え合わせをしてみると、デイトナを買うことは「正解」だったということになるのです。

ちなみに、2000年におけるデイトナの最新モデルはA番ですが、必ずしもA番だとは限らないため、この記事の個体は現在最も安い個体を選定しています。

もしもA番同士で比較した場合、その値上がり額はもっと高い水準となります。

2001年頃、アクアノートロイヤルオークを買っても値上がりでしたが、「何も考えずに一番人気のデイトナを買っても大幅値上がり」というのはなかなか面白い事例です。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
本コンテンツには、主観的評価、見解、想定における情報が含まれています。運営者及びコンテンツ提供者は、コンテンツ内容の正確性、確実性、完全性における保証を行いません。また、コンテンツ内容にかかわる損害・トラブル等に関する一切の責任を負いません。本サイトに記載されている情報は、特に断り書きがない限り、更新日時点での情報に基づいています。