パネライが本格的に流行り始めたのは2002年のことですが、その年を最後に生産されなくなったシリーズがあります。
それが、エルプリメロ搭載の高級クロノグラフです。
このシリーズは、ブレスレットタイプと革ベルトタイプの違いを同一とみなすと、ざっと5種類が存在。
特殊なモデルが、
通常モデルが、
となります。
エルプリモデルの登場は99年のPAM00052で当初は限定な特別モデルという扱いでした。
そしてその翌年、通常モデルとしてPAM00072が登場。
PAM00072の登場によりエルプリ搭載のクロノグラフは通常モデルとなります。
PAM00052とPAM00072の違いは文字盤デザインのみであり、チタンとステンレスのコンビという凝ったブレスレットも共通。
PAM00052は三つ目が銀だったのに対して、PAM00072は黒一色となりました。
そして2002年に“新しい”エルプリモデルとしてPAM00122が登場したのを最後に、パネライからゼニスムーブメント搭載機のラインナップは姿を消しました。
このPAM00122というモデル、2002年にしか製造されていないのですが、PAM00052とは異なり限定モデルというわけではありません。
しかし、生産年が1年しかないということと、最も新しいエルプリモデルという印象により、ずっと高値をキープしているのです。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2011年7月 の安値(ヤフオク) |
2016年11月 の安値(ヤフオク) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
オフィチーネパネライ
ルミノールクロノ PAM00122 |
中古 | 5年 4ヶ月 |
¥850,000 | ¥998,000 | 148,000 | 117.41% |
PAM00122とPAM00072の差もまた文字盤デザインの差でしかありません。
このモデルが出たことによりPAM00072は製造中止になったかというとそうではなく、PAM00072は2002年まで製造。つまり、この2つは併売されていたのです。
PAM00072の三つ目を銀にしたデザインがPAM00122なのですが、見た目はPAM00052ととても似ています。
というより、99年限定モデルであったPAM00052を2002年に復活させレギュラーモデル化させたのがPAM00122、という説明が分かりやすいでしょう。
実際、PAM00052との差は“文字盤ドット上に5から55秒までの値が追加された”という要素のみ。もう一つ、バックルが片側プッシュ式の新タイプになるのですが、それは年式による仕様違いという見方もできます。
そして、PAM00052は昨年夏頃65万円程度という相場だったため、PAM00122より30万円程度安かったということになります。
しかし、よく考えてみると限定モデルのPAM00052のほうが希少性は高いように思います。
そういう事情があるにもかかわらず、ここ何年もの間においてPAM00052よりもPAM00122が高いのです。