トランスアトランティックといえば、クロノグラフモデルというイメージですが、3針モデルも存在します。
そして、3針モデルであるのにもかかわらず、このモデル、クロノグラフよりずっと高い相場なのです。
実はこれ、一見3針モデルに見えますが、実は「アラーム」機能が付いた特殊なモデル。
シンプルな見た目に対して、2個ある竜頭が“アラーム”というプチコン機能の存在を暗に示しています。
このアジェンダが現行だった時代、新品同士においてクロノグラフと同価格で販売されていました。
一見シンプルな3針に見えることから、クロノグラフより豪華でないのに同じ値段、というようにも見え、クロノグラフを選ぶ人も多かったかもしれません。
しかし“アラーム”という機構が付いたモデルには、なんだかとてもプレミアムな印象があります。
同じくアラーム機能モデルであるパネライのPAM00098もかなり高級というイメージであり、金無垢専用の豪華モデルだったラジオミールの中で当時唯一のステンレスながら、金無垢に引けを取らない高級感が演出されていました。
ということで、このモデルが新品時にクロノグラフと同価格というのも非常に納得できる額という説明ができます。
しかし、驚くべきは、このアジェンタが値上がりし、今ではクロノグラフよりかなり高い相場となっていることです。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2010年11月 の安値(ヤフオク) |
2017年3月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ブレゲ
トランスアトランティック アジェンダ 革ベルト |
中古 | 6年 4ヶ月 |
¥422,100 | ¥698,000 | 275,900 | 165.36% |
この時計、高値の理由はおそらく数の少なさからでしょう。
トランスアトランティックの場合、デザインもブランド力もかなり人気要素満載にもかかわらず、2010年頃と相場が変わらないお買い得時計ですが、このアジェンタの場合は27万円以上も値上がりした力のあるモデルです。
先程のPAM00098も数が少なめですが、限定モデルであるアジェンダはPAM00098より圧倒的に希少です。
ちなみに、PAM00098にはアラームに加えてGMT機能が備わっていますが、このアジェンタにはGMT機能はありません。
また、使っているムーブメントはパネライのPAM00098とは異なりレマニア製の模様。
アラームというあまり無い機構ゆえに同じムーブメントかと思いきや、違うのです。
なおこの時計、あまりにも数が少ないため、今のような相場の時期でも、値付けを間違ったような金額で極稀に販売されることがあります。
しかし、それはあくまでかなりの少数派であり、今におけるこのアジェンタの相場は60万円台後半と見て良いでしょう。