2000年代半ばまで、店頭でよく見かけたスピードマスタームーンフェイズ。
登場したのは2000年頃で、その時「ブロードアロー」共に“高級な”スピードマスターとして登場しました。
黒文字盤でないムーンフェイズのスピードマスターといえば、99年に登場したホワイトゴールドの記念モデルという印象がそれまであったため、特別なモデルという印象でした。
その記念モデルは革ベルトと黒いベゼル、そしてブロードアロー針ではない青針を装着していたため、かなり高級感があったのですが、それをカジュアルにしたのがこのムーンフェイズという印象です。
“ムーンフェイズ”は“ブロードアロー”と文字盤の色や針の形状が同じことから、兄弟モデルとして扱われていました。
実際、当時の新品実勢価格も両者は同じということが多かったですし、2つならべて店頭に飾られる光景もよく見かけました。
一見違いがよくわからない両者ですが、ブロードアローはフレデリックピゲ製の高級ムーブメント搭載だから「高く」、このモデルはムーンフェイズ搭載という高級感に加えてホワイトゴールドベゼルが装備されています。
つまり、
- フレデリックピゲ
- ムーンフェイズ+WGベゼル
という違いの両者。
同時どちらを選んだ人が多かったかというと、中古流通量を見る限りブロードアローが多いように思います。
とはいえ、ムーンフェイズも極端に少ないということはなく、「レア」と呼ぶのに値しない存在です。
しかし、最近そんなムーンフェイズに異変が起きています。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2011年9月 の安値(ヤフオク) |
2017年3月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
オメガ
スピードマスター ムーンフェイズ 3575.20 |
中古 | 5年 6ヶ月 |
¥210,000 | ¥352,000 | 142,000 | 167.62% |
それは、流通量がとても少なくなっているのです。
そして、相場も2011年とくらべて14万円以上値上がりしています。
最近、ブロードアローのほうは特に黒文字盤が安く25万円前後で購入可能な様子。
ブロードアローの黒文字盤は2011年において、このムーンフェイズより高かったのです。
ムーンフェイズは、なかなか魅力的な見た目で興味深い時計なのですが、値動きが多々あるという面白さも存在します。
これが出た2000年頃、新品実勢価格は40万円近くしたのですが、2005年頃になると新品が25万円前後まで下落。
そしてその後生産終了となると、中古が30万円以上に値上がりし、リーマンショック後の安い時期には20万円台前半まで下落。
そしてそこから再度30万円以上まで復活した後、今年に入って約35万円という価格まで上昇しています。
また、このモデルにはヨーロッパ限定の銀文字盤が存在しますが、そちらのほうがより少ないため高値の模様。
2005年頃に新品を買った人は、「新品で買っても値上がり」という状況です。
そして、驚くべきは、この特に珍しくないという印象の時計がいつしか数が少なくなっているという点。
2011年に購入した方は約14万円というかなりな値上がり額を体験できていることでしょう。