スピードマスターはオメガのクロノグラフモデルとして有名なモデルですが、スピードマスターシリーズの中には数々のシリーズとモデルがあり、全体像を把握するのは難しいほど無数なラインナップが存在します。
とはいえ、スピードマスターという名前を聞いたときに、多くの人が思い浮かべるのがプロフェッショナルであり、NASA公式として月に行った時計というイメージがあります。
しかし、プロフェッショナルといえどもラインナップはいくつも存在し、どれも同じモデルではありません。
NASA公式仕様として有名なのは3570.50ですが、現在の相場は20万円台後半といったところ。
しかし、見た目はそっくりな、この記事の個体はそれより高く、30万円以上という価格です。
何が違うのかというと、この個体、裏スケ仕様。
そして、このモデルこそ、最も数が少ないプロフェッショナルといえるのではないでしょうか。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2012年7月 の安値(ヤフオク) |
2017年3月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
オメガ
スピードマスター 3572.50 |
中古 | 4年 8ヶ月 |
¥186,900 | ¥318,000 | 131,100 | 170.14% |
NASA仕様のスピードマスターは、宇宙空間での仕様を考慮してあえてプラスチック風防を採用しています。
そして、NASA仕様をそのまま裏スケモデルにするとどうなるか、というと裏蓋だけサファイアクリスタルとなるのです。
つまり、表はプラスチック、裏はサファイアクリスタルという違和感のあるモデルとなってしまうわけです。
そのため、オメガは表のガラスもサファイアクリスタルにした裏スケモデルを別に作り、このモデルを生産終了としました。
結果、この3572.50というモデルの数は少なく、なかなか希少性のあるモデルなのです。
2012年との比較で値上がりした額は約13万円ですが、この値上がり額はポピュラーな3570.50と同じです。
オメガの場合、ロレックスのように細かい仕様違いが相場の圧倒的な差を生む、ということは今まで起こっていませんが、これだけ数が少ないのにもかかわらず、値上がり額が数が多いモデルと同じというのは興味深いところです。
今後この3572.50の相場がどうなるかは想像がつきませんが、ムーンウォッチの個性であるプラ風防と、レマニア製のきれいなムーブメントを眺めることができる裏スケ仕様を同時に楽しみたい場合、意外に数が少ないということは覚えておいたほうが良いかもしれません。