三雲時計というとどれも高いイメージですが、そのイメージとは裏腹に30万円台で買えるモデルも存在します。
かつてはパテックフィリップのノーチラスですら30万円台で平然と売られていた時代もありますが、それは2000年代前半という時代。
その頃、今とは違ってノーチラスの人気はありませんでした。
とはいえ、「三雲時計」、「ノーチラス」というモノが30万円台というのはその頃の感覚においてもかなり「安い」ものであったというのは今と共通しています。
当時の中古ノーチラスの相場は安くても60万円台という感じ。ただ、それはステンレスの機械式という主流なモデルで、今は200万円以上という水準です。
それに対して30万円台で売られているノーチラスは、クオーツという“ちょっと外れた”モデルだったのです。
また、当時のノーチラスにおいて一般的なモデルは90年代に登場したモノ以降という認識があったのに対し、安いモデルはそれ以前の古臭いモノという事情もあります。
古いモデルでも、オールドパテックやアンティークロレックスのように評価されるモノがある一方、単に古臭いというのが30万円台で売られている三雲時計に共通する印象なのです。
この“ちょっと外れた”というのが今も昔も、30万円台で買える三雲ブランドに共通する要素です。
ですから、今でも30万円台で売られている三雲時計を見かけると、それらには大抵
- 80年代以前に生産された個体
- コンビ
- クオーツ
というような共通項があるのです。
しかし、このオーデマピゲは、1996年に登場した“古めかしくない”モデル。
さらに自動巻、ステンレスという人気要素もバッチリそなえています。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2005年秋頃の安値(タイムトンネル) | 2017年3月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
オーデマピゲ
ミレネリー 15016ST |
新品 | 11 | ¥388,000 | ¥399,000 | 11,000 | 102.84% |
三雲ブランドに対する漠然としたイメージは、パテックフィリップのカラトラバのように、“シンプルな革ベルトの時計”というモノがありますが、オーデマピゲに関してはかなり昔からロイヤルオークの印象がかなり強い傾向です。
そんなオーデマピゲのらラインナップの中で、ロイヤルオーク以外の選択肢としてミレネリーは存在。
今でも現行モデルであり、先日当サイトの特集にも登場していただいたルー大柴さん愛用の時計でもあります。
ただ、ルーさん愛用のミレネリーは、これと似たような見た目でも現在の中古相場は140万円以上という水準。
つまり、ミレネリーという時計は三雲時計という存在にふさわしい価格を保った時計でもあるのです。
ではなぜ、140万円以上で売られる一方、30円台の個体も存在するのか。
それは、ミレネリーが一度イメージチェンジをしたからです。
96年に登場したミレネリーは、このモデルのようにシンプルな3針のステンレスモデルを主なラインナップとしていました。
しかし2000年代半ばに、ケースサイズを大きくし、以前より豪華なモデルとなったのです。
つまり、同じミレネリーという時計は年式によって豪華さが異なる。
ですから、両者の価格差の大きな差は新品時の価格に影響を受けたといえるでしょう。
ということでこのミレネリー、オーデマピゲという三雲ブランドの、ミレネリーという豪華なモデルを30万円台で楽しむことができる、というお買い得時計なのです。
確かに今のミレネリーとは別物と言われれば別物です。しかし、「別物」という前提があるにしても、今の豪華なモデルに影響され相場がもう少し高くなって良いのではと感じます。