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現在相場考察

豪華な要素を安く楽しめる、ジャガールクルト『グランドレベルソ976』

2017年3月29日更新
ジャガールクルトのレベルソについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2010年7月の安値(ヤフオク)と2017年3月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この6年8ヶ月での変動は¥81,800だった。

グランドレベルソ976についての考察(2017年3月)

ジャガールクルトというブランドも、レベルソというモデルも、最近人気の傾向です。

特にレベルソは角型腕時計というカテゴリの中で王座の位置にするほど強いモデルだと感じます。

しかし、レベルソについて欠点が1つあります。

それは、ラインナップが多くて「どのレベルソ」なのか分かりづらいという点。

まさしくこのグランドレベルソ976」というモデルは、分かりづらいレベルソの典型でしょう。

この時計、なにが他のレベルソと異なるのかと考えたときに、最も分かりやすい特徴はその大きなケースサイズでしょう。

角型やトノーケースの時計に対して、単に直径で大きさを表現するのは難しいところがありますが、このグランドレベルソ976の直径は48.5mmという水準。

角型ですから、47mmのパネライほど巨大に感じることはありませんが、かなり大きな印象というのは間違いないでしょう。

フランクミュラーに例えるとより分かりやすく、直径48.5mmの7850サイズに相当します。通常サイズの5850と比べて6850でも大きく感じるのに、それをさらに上回る7850と同じとはいかに大きい、ということが分かるでしょう。ただし、7850の場合、横幅が35mmなのに対して976は横幅が30mmです。

時計の大型化は、2002年の世界的なパネライ大ヒット以降、時計業界においてトレンドとなっています。

このグランドレベルソ976が登場したのは2000年代後半なので、まさにトレンドに乗ったレベルソともいえるでしょう。

最近では、大型化する場合は同時に薄型化するということが人気の秘訣となっていますが、このモデルは薄型ではありません。

そのためか、この976は生産終了となり、今では大きなレベルソは薄さを売りにするモデルとなっています。

なにかと存在感の薄いこのレベルソ

登場した時期も2000年代後半と定価がかなり高くなった時期に重なっていますから、実勢価格も高めだったかもしれません。

ですから、元が高く特徴もないとなれば、さぞ値下がりしていることでしょう。

しかし、これ実は値上がりしているのです。

ジャガールクルト レベルソ(現在参考の腕時計がありません)

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2010年7月
の安値(ヤフオク)
2017年3月
の安値(楽天)
変動額 残価率
ジャガールクルト
グランドレベルソ976
中古 6年
8ヶ月
¥388,000 ¥469,800 81,800 121.08%

このグランドレベルソ976が値上がりした大きな理由は、2010年における中古相場が安かったからでしょう。

当時において30万円台後半という価格は確かに高い水準ですが、今もしもこのグランドレベルソ976が30万円台後半で売られていたならば、間違いなく「安い」と思うはず。

さらに、このグランドレベルソ976は、文字盤がギョーシェかつ裏スケ仕様という豪華要素が備わっています。

文字盤がギョーシェ仕様になるのはレベルソにおける大きな人気要素の1つで、同じくギョーシェ仕様のレベルソデュオも高めの相場です。

また、ムーブメントはこのモデル名の通り「976」という新型ムーブメントを搭載。

ですから、この価格帯で豪華な仕様かつ新ムーブメントのモデルを楽しめる事ができる、という存在意義があるのです。

よって、2010年と比べて8万円以上の値上がりというこのグランドレベルソ976。

現在の約47万円という価格でも他の時計と比較して相対的に見た場合、良い選択肢だと思える1本です。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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