2016年のバーゼルにおいて116900が登場するまで、エアキングといえばロレックスの中でもっとも安く買える存在。
特に5桁リファレンスの頃は新品でも20万円台前半で購入できるという手軽なロレックスでした。
ロレックスブームが起こったのは90年代後半ですが、その頃現行モデルだった5桁リファレンスのモデル以降が“近代的なモデル”という印象であり、4桁モデルに対しては“アンティーク”という印象があります。
ただし“アンティーク”と呼ばれてありがたがられるのはスポーツモデルに限られ、4桁リファレンスのエアキングは今も昔も非主流モデルという印象が強い時計です。
そのため、ロレックスが高い時期でも安い時期でも4桁リファレンスの古いエアキングやオイスターパーペチュアルは10万円台という水準であり、売られている店も限られたりします。
ですから、主流モデルという意味では長きに渡り、最も安い位置に存在したのがこのエアキング14000なのです。
例えば、腕時計に詳しくない人から「中古で安いロレックスっていくら?」と質問を受けた場合、このエアキング14000の価格を答えとして用意するというのが自然でしょう。
そして、その質問に対する現在の回答は、約28万円という水準になります。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2000年夏頃の新品実勢価格(2社平均) | 2017年4月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
エアキング 青文字盤 14000 |
中古 | 17 | ¥245,175 | ¥280,692 | 35,517 | 114.49% |
時計に詳しくない人でも、ロレックスは高いということは知っていますが、いったいいくらするのかというぼんやりとした興味に対して28万円という回答は、「意外と買える金額」ということになるかもしれません。
高級腕時計に興味を抱いた人の中には、このようにして、なんとなく値段を知ったときに「自分でも手を出せる」という事に気づき、はじめの一歩を踏み出すきっかけとなるのです。
しかし、回答を現在の新品価格とした場合、オイスターパーペチュアルの116000が候補となります。その額は40万円程度ですからロレックスへのハードルは上がるでしょう。
実際、約28万円というエアキングの最低価格も昨年と比べると4万円程度高くなっているため、中古においてもロレックスに対するハードルは上がっているといえます。
とはいえ、面白いのはロレックスは値上がりも値下がりもするということ。
特に最近は値上がり傾向が続いているため、買った値段より高くなるというハードルは下がっているのです。
実際、昨年まで24万円程度でエアキングが買えたわけですから、約半年程度で4万円も値上がり状態。
そして凄いのは、ロレックスブームの頃、エアキングを20万円台前半で新品を買ったならば、「新品で買っても値上がり状態」ということ。
ロレックスブームの頃、特に人気があったのはエクスプローラ14270であり、プレミア価格でも買う人が多々いた時計です。
その頃、エアキングは決して人気のある時計というわけではなく、当時の新品価格より17年後の中古価格が高い、なんてことになるとは思わなかったでしょう。