6桁リファレンスが登場したのは2000年のことですが、その際登場したモデルは“6桁のくくり”というより5桁リファレンスに属するイメージが強い傾向です。
そういえば、80年代には186000というサブマリーナがあり、本来の意味ではそれが初めての6桁リファレンスとなります。
80年代には既にサブマリーナ、GMTマスター、エクスプローラ2が5桁リファレンスだったのですが、その時代の5桁リファレンスは4桁リファレンスと同等に扱われる“アンティーク”な存在です。
4桁から5桁も、5桁から6桁も、そのリファレンス自体が登場した時期と、カテゴライズされるモデルには数年の開きがあるため、どこからが6桁リファレンスかというのは境界線がはっきりしないと思います。
6桁リファレンスの特徴といえば、
という要素があります。
この中における多くの要素は2007年に出たGMTマスター2の116710LNとミルガウス116400にあるため、6桁リファレンスモデルは2007年からだとすると自然でしょう。
とはいえ、2004年にデビューした116233にも、
という要素が当てはまります。
そして、筆者はこの116233以降に登場したモデルが6桁リファレンスにカテゴライズできるモデルだと考えます。
この5連ブレスレットとフルーテッドベゼルのデイトジャストこそ、ロレックスの顔といえるモデル。
今ではスポーツモデルのほうが目立っていますが、このデザインこそ「ロレックスといったらコレ」というべきオーソドックスなデザイン。ディスカウントショップや通販番組でもよく見かける「ロレックスタイプ」な腕時計のデザインでも採用されるほど高級腕時計の象徴的なデザインとして認識されています。
ですから、ロレックスが6桁時代のモデルとして一番に登場させるとしたらデイトジャストが妥当でしょう。
確かに、2001年に出たデイデイトが最も先に5桁時代と比べて見た目が変化したモデルです。
しかし、同じく2001年には5桁時代とほぼ変わらないエクスプローラの114270が登場しており、その時代は移行期といえるでしょう。
実際、現行GMTマスター2のステンレスモデルが出たのは2007年ですが、金無垢モデルの登場はそれより古い2005年にデビュー。
そのため、2004年に登場したデイトジャスト116233以降が6桁モデルという区別がかなり分かりやすいと考えます。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2009年7月 の安値(ヤフオク) |
2017年4月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
デイトジャスト グレー文字盤 116233 |
中古 | 7年 9ヶ月 |
¥407,400 | ¥658,000 | 250,600 | 161.51% |
5桁時代の16233はオーソドックスなロレックスとして流通量がかなり多いモデルですが、116233が登場した2004年以降は、世界的にスポーツロレックスが流行っており、デイトジャストの存在感は薄れた時代です。
そのためか、個体数が16233よりかなり少ない116233。
他のモデルと同じように6桁時代となって以前より高くなった116233は、5桁時代よりなにかと身近ではない存在になりました。
そのためか、デビューより約13年経った今においても、まだまだ“新型”という印象の強いこの時計。
デイトジャストシリーズの再ブランディングによって、116233は“デイトジャスト36”という名称になりましたが現行モデルに変わりはありません。
そして、16233と比べて約30万円も高いという中古相場こそ“新型”と感じさせる所以でしょう。
不思議なことに、5桁リファレンス同士ではWGベゼルモデル16234とコンビモデル16233の価格差は17600円しかありませんが、6桁モデルとなると116234より14万円も116233のほうが高いのです。
確かに、116233はブレスレット中央部に対する金の含有量が高いため、ステンレスブレスレットの116234より14万円高いというのは自然です。
とはいえ、中央部分が空洞の16233でも16234より金の含有量が多いことにかわりはなく、その価格差が2万円以下というのは不自然だと思います。
おそらく、5桁時代のデイトジャストは数が多すぎるため“ありがたみ”がなく、結果的に安値なのでしょう。
それに対してオーソドックスな存在ではなくなった6桁時代のデイトジャストは数が少なく、高めの相場となっていると考えることができます。
そして面白いのはこのデイトジャスト116233、2009年と比べて25万円もの値上がり状態なのです。