腕時計投資新聞

腕時計の[買う・使う・売る]すべてを楽しむ専門サイト「腕時計投資ドットコム」
現在相場考察

凄く高くなったパネライ、PAM00103

2017年4月3日更新
オフィチーネパネライのラジオミールPAM00103について斉藤由貴生が執筆。本記事では2012年1月の安値(ヤフオク)と2017年4月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この5年3ヶ月での変動は65万円の値上がりだった。

ラジオミール PAM00103についての考察(2017年4月)

ゼニスエリート搭載の金無垢ラジオミールといえば、最近値上がり状態ですが、その値上がり額は過去最高水準に達しました。

この時計、パネライがブームとなった2002年頃においては中古が50万円台から60万円台程度で手に入るという状況でしたが、その後価格はどんどんと上昇。

パネライが全体的に安かった2012年でも、80万円台という額は、「以前と比べて高くなった」という印象でした。

しかしその時高いと感じてもこの時計、今では150万円近いという水準になっているのです。

オフィチーネパネライ ラジオミール 40mm PAM00103(現在参考の腕時計がありません)

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2012年1月
の安値(ヤフオク)
2017年4月
の安値(楽天)
変動額 残価率
オフィチーネパネライ
ラジオミール
PAM00103
中古 5年
3ヶ月
¥848,000 ¥1,498,000 650,000 176.65%

このラジオミールはとても魅力的な時計です。

今ではラジオミールというモデルはルミノール系となんらかわりのないオーソドックスな扱いとなっていますが、かつてはこの金無垢モデルのようにパネライの最高級を担うシリーズだったのです。

ラジオミールは金無垢モデルか、アラームのようにプチコン的機構を備えたムーブメントを搭載するモデルしかありませんでした。

一番最初にその例を破ったのは2004年に登場したブラックシールですが、ブラックシールはその愛称があるという事自体が示すようにラジオミールシリーズにおける特殊なモデル。

サブマリーナが30万円台で買えた時代において60万円以上が当たり前というラジオミールシリーズの中で唯一、40万円台で買えたのがブラックシールでしたが、そのカジュアル感は他のラジオミールの高級感を損なうことはありませでした。

しかし、翌年2005年よりラジオミールには「ベース」が登場し、それ以降のラジオミールはルミノール系とかわりのないシリーズとなったのです。

その結果、今では逆に珍しく見えるのがこの金無垢ラジオミール。

今のラジオミールといえば45mmは当たり前ですが、この頃のラジオミールは40mm。

機械もゼニスのエリートベースの高級なものであり、当時のパネライとしては珍しい“裏スケ”仕様です。

この頃におけるパネライの裏スケモデルは、金無垢ラジオミールかエルプリを搭載するクロノグラフにしかありません。

よって、パネライには分かりやすい棲み分けがあったのです。

その時代において最も値上がりしたモデルこそ、この金無垢ラジオミール。

ホワイトゴールドのPAM00062とピンクゴールドのPAM00103がありますが、どちらもかなりの値上がり状態です。

PAM00103は途中でムーブメントのローター部分が金色となったため、前期後期などと呼ばれていますが、どちらも関係なしに値上がり状態。

昨年の記事でも値上がり状態なことをお伝えしましたが、その際の相場は約130万円程度。

そしてそこからさらに値上がりした、というのはかなり驚くべき事態です。

この記事の個体だけが高いのではなく、既に売れてしまった他の個体も同じような価格ですから今において140万円台という相場は間違っていないのです。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
本コンテンツには、主観的評価、見解、想定における情報が含まれています。運営者及びコンテンツ提供者は、コンテンツ内容の正確性、確実性、完全性における保証を行いません。また、コンテンツ内容にかかわる損害・トラブル等に関する一切の責任を負いません。本サイトに記載されている情報は、特に断り書きがない限り、更新日時点での情報に基づいています。