ゼニスエリート搭載の金無垢ラジオミールといえば、最近値上がり状態ですが、その値上がり額は過去最高水準に達しました。
この時計、パネライがブームとなった2002年頃においては中古が50万円台から60万円台程度で手に入るという状況でしたが、その後価格はどんどんと上昇。
パネライが全体的に安かった2012年でも、80万円台という額は、「以前と比べて高くなった」という印象でした。
しかしその時高いと感じてもこの時計、今では150万円近いという水準になっているのです。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2012年1月 の安値(ヤフオク) |
2017年4月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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オフィチーネパネライ
ラジオミール PAM00103 |
中古 | 5年 3ヶ月 |
¥848,000 | ¥1,498,000 | 650,000 | 176.65% |
このラジオミールはとても魅力的な時計です。
今ではラジオミールというモデルはルミノール系となんらかわりのないオーソドックスな扱いとなっていますが、かつてはこの金無垢モデルのようにパネライの最高級を担うシリーズだったのです。
ラジオミールは金無垢モデルか、アラームのようにプチコン的機構を備えたムーブメントを搭載するモデルしかありませんでした。
一番最初にその例を破ったのは2004年に登場したブラックシールですが、ブラックシールはその愛称があるという事自体が示すようにラジオミールシリーズにおける特殊なモデル。
サブマリーナが30万円台で買えた時代において60万円以上が当たり前というラジオミールシリーズの中で唯一、40万円台で買えたのがブラックシールでしたが、そのカジュアル感は他のラジオミールの高級感を損なうことはありませでした。
しかし、翌年2005年よりラジオミールには「ベース」が登場し、それ以降のラジオミールはルミノール系とかわりのないシリーズとなったのです。
その結果、今では逆に珍しく見えるのがこの金無垢ラジオミール。
今のラジオミールといえば45mmは当たり前ですが、この頃のラジオミールは40mm。
機械もゼニスのエリートベースの高級なものであり、当時のパネライとしては珍しい“裏スケ”仕様です。
この頃におけるパネライの裏スケモデルは、金無垢ラジオミールかエルプリを搭載するクロノグラフにしかありません。
よって、パネライには分かりやすい棲み分けがあったのです。
その時代において最も値上がりしたモデルこそ、この金無垢ラジオミール。
ホワイトゴールドのPAM00062とピンクゴールドのPAM00103がありますが、どちらもかなりの値上がり状態です。
PAM00103は途中でムーブメントのローター部分が金色となったため、前期後期などと呼ばれていますが、どちらも関係なしに値上がり状態。
昨年の記事でも値上がり状態なことをお伝えしましたが、その際の相場は約130万円程度。
そしてそこからさらに値上がりした、というのはかなり驚くべき事態です。
この記事の個体だけが高いのではなく、既に売れてしまった他の個体も同じような価格ですから今において140万円台という相場は間違っていないのです。