ロレックスブームが起こった2000年前後においてカルティエは、オメガやブルガリ、ロレックスなどとともに迷われる存在。
その頃のカルティエで人気があったのは、パシャCやタンクフランセーズという比較的安価なラインナップでした。
また、それよりもう少し高めのであるパシャ38mmや、もっと高くて高級なタンクアメリカンぐらいまでが、主要モデルとして認識されている存在だったといって良いでしょう。
そして、それらモデルに共通するのは、比較的シンプルな機構の腕時計だったという点です。
しかし、そんなカルティエのラインナップとして、「ちょっと違う」と感じさせるラインが存在。
それが、このコレクションプリヴェカルティエパリです。
この高級シリーズ、名前が長過ぎるため、CPCPなどと略されることもありますが、今でもあまり定着していない名称だと感じます。
けれども、CPCPとしてラインナップされた時計の存在をなんとなく知っているという人も多いでしょう。
金無垢に革ベルトのトーチュは、もっとも代表的なCPCPだと思います。
その頃通常のカルティエが30万円前後だとしたら、CPCPは100万円以上という水準の新品実勢価格だったのです。
そして、CPCPには、通常モデルとは違い、高級な複雑ムーブメントが搭載。
特にこのタンクアビスは、1つの竜頭で異なる時針を調整できるという、複雑時計チックなメカニズムを備える時計です。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2010年9月 の安値(ヤフオク) |
2017年4月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
カルティエ
CPCP タンク アビス YG |
中古 | 6年 7ヶ月 |
¥698,000 | ¥1,007,400 | 309,400 | 144.33% |
このタンクアビス、非常に艶っとした魅力があり、その姿は三雲時計に匹敵します。
というより、カルティエというブランドの“三雲時計”ポジションとして開発されたのがこのタンクアビスでしょう。
実際、2000年頃の新品実勢価格は180万円前後とパテックフィリップのプチコンプリケーションと同じレベルです。
そんなタンクアビス、その新品実勢価格を中古相場が維持することはできず、2010年には中古が60万円台という水準まで下落。
しかし、今ではそこから相場は回復したため、立派な成績を納めた値上がり腕時計という実力となっています。
とはいえこの時計、現在ホワイトゴールドモデルが80万円台後半で売られているため、10万円前後の誤差はある模様。
それでも、2010年の相場から値上がりしたことに変わりはありません。