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現在相場考察

だいぶ高級なCPCPという存在、カルティエ『タンク アビス』

2017年4月9日更新
カルティエのCPCPについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2010年9月の安値(ヤフオク)と2017年4月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この6年7ヶ月での変動は¥309,400だった。

CPCP タンク アビス YGについての考察(2017年4月)

ロレックスブームが起こった2000年前後においてカルティエは、オメガブルガリロレックスなどとともに迷われる存在。

その頃のカルティエで人気があったのは、パシャCタンクフランセーズという比較的安価なラインナップでした。

また、それよりもう少し高めのであるパシャ38mmや、もっと高くて高級なタンクアメリカンぐらいまでが、主要モデルとして認識されている存在だったといって良いでしょう。

そして、それらモデルに共通するのは、比較的シンプルな機構の腕時計だったという点です。

しかし、そんなカルティエのラインナップとして、「ちょっと違う」と感じさせるラインが存在。

それが、このコレクションプリヴェカルティエパリです。

この高級シリーズ、名前が長過ぎるため、CPCPなどと略されることもありますが、今でもあまり定着していない名称だと感じます。

けれども、CPCPとしてラインナップされた時計の存在をなんとなく知っているという人も多いでしょう。

金無垢に革ベルトのトーチュは、もっとも代表的なCPCPだと思います。

その頃通常のカルティエ30万円前後だとしたら、CPCPは100万円以上という水準の新品実勢価格だったのです。

そして、CPCPには、通常モデルとは違い、高級な複雑ムーブメントが搭載

特にこのタンクアビスは、1つの竜頭で異なる時針を調整できるという、複雑時計チックなメカニズムを備える時計です。

カルティエ タンク(現在参考の腕時計がありません)

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2010年9月
の安値(ヤフオク)
2017年4月
の安値(楽天)
変動額 残価率
カルティエ
CPCP
タンク アビス
YG
中古 6年
7ヶ月
¥698,000 ¥1,007,400 309,400 144.33%

このタンクアビス、非常に艶っとした魅力があり、その姿は三雲時計に匹敵します。

というより、カルティエというブランドの“三雲時計”ポジションとして開発されたのがこのタンクアビスでしょう。

実際、2000年頃の新品実勢価格は180万円前後パテックフィリップのプチコンプリケーションと同じレベルです。

そんなタンクアビス、その新品実勢価格を中古相場が維持することはできず、2010年には中古が60万円台という水準まで下落。

しかし、今ではそこから相場は回復したため、立派な成績を納めた値上がり腕時計という実力となっています。

とはいえこの時計、現在ホワイトゴールドモデルが80万円台後半で売られているため、10万円前後の誤差はある模様。

それでも、2010年の相場から値上がりしたことに変わりはありません。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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