既に生産終了となったカルティエのパシャCですが、95年のデビューから生産終了までの間には様々な文字盤バリエーションが存在。
パシャCといえば、2000年代前半までは“男性用”とも認識され、ロレックスやブルガリと「どちらにしようか」と迷われるような立ち位置だったのが、2000年代後半からは完全に“女性用”という印象になりました。
パシャCがデビューたのは先の通り95年。2005年頃には既に男性用という認識でなくなりつつありましたが、男性用として扱われた期間は10年近くに及びます。
そして、魅力的なパシャCを探す場合、この“男性用”という認識だった2005年以前のモデルに絞るというのが、最も分かりやすい絞込だと思います。
そして、それら年式のパシャCの中でどんな選択肢があるかというと、
- グリッドピンク W31024M7
- グリッドグレー W31023M7
- 白文字盤 W31015M7
- 黒文字盤 W31043M7
- メリディアン W31029M7
- 白文字盤ビッグデイト W31044M7
- 紺文字盤ビッグデイト W31047M7
という具合になるのです。
実は他にも選択肢があるのですが、
- ピンク文字盤ビッグデイト
- 初期ネイビー文字盤
の2つは評価が難しく、特にピンク文字盤のビッグデイトは女性用という色が強いため除外したほうが分かりやすいのです。
また、クロノグラフは当時も今も3針のモデルと相場が異なるため、別扱いとします。
では、パシャC=男性用という認識だった時代のモデルの中で、どれが最も高値傾向なのかというと、それはこの紺文字盤ビッグデイトです。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2015年3月 の安値(ヤフオク) |
2017年4月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
カルティエ
パシャC W31047M7 |
中古 | 2年 1ヶ月 |
¥201,852 | ¥155,000 | -46,852 | 76.79% |
パシャCの中古相場は2000年代後半まで20万円前後といったところでしたが、リーマンショック後に15万円前後まで下落。
そしてその後、ロレックスやオメガのように相場が回復するのかと思ったら、逆に“もっと安くなる”という状況となっています。
ですから、今では13万円ぐらいでも程度の良いモノがたくさんありますし、安いときでは11万円程度で購入することも可能です。
しかし、そんなパシャCの中で、2015年という時期に20万円を超えていたのがこの紺文字盤ビッグデイトです。
残念ながら、現在はその頃より5万円程度値下がりしてしまっていますが、それでも15万円以上という価格は、他のパシャCとくらべて高め。同じ年式との比較では高いのは勿論ですし、定価が60万円以上という水準になった最終モデルより高いぐらいです。
では、なぜこの紺文字盤が高いのかというと、それは、希少性を感じさせるモデルだからでしょう。
パシャCは、各文字盤のラインナップが多いにもかかわらず、それぞれの文字盤の流通量はそこそこあったりします。
そのため、各文字盤において“レア”という印象はないのですが、この紺文字盤はデビューした時期の影響により“レア”という印象があるのです。
男性用と認識されるパシャCは、この紺文字盤以外どれも90年代後半にデビュー。
一方、この紺文字盤が出たのは2001年と少し遅いのです。
そしてその後、カルティエはパシャCのラインナップを女性寄りに変えていき、この紺文字盤は早い段階でテコ入れ=生産終了になったと予測できます。
ということで、数が少ない紺文字盤、最近のパシャCとしてはかなり高い水準の相場となっているのです。
とはいえ生産年数が短い文字盤は他にも存在するため、この紺文字盤だけが“レア“となるのは不自然にも見えます。
しかし、90年代後半から2000年頃にかけてパシャCはかなり人気があったのに対し、2001年という時期は人気が落ち着いていた時期。
つまり、紺文字盤ビッグデイトに対して”レア”という印象が強いのは、2001年という出た時期による要因が大きいのです。