90年代後半頃より600本限定として販売されたこのカレヒストリークは、ノスタルジーやサルタレーロと並び、魅力ある近代的なヴァシュロンの1つです。
特にこのカレヒストリークは、ケースの四隅が暗にもう一つのケースを表しているような独特のデザインであり、他のブランドでは見ないデザインです。
この“wな存在感”を思わせるヴァシュロンコンスタンタンのデザインは、2000年に登場したマルタのラグにも見ることができますが、そちらもとても魅力的だと思います。
カレヒストリークは、角型手巻きのモデルで、イエローゴールドとホワイトゴールドが存在。
どちらも定価は130万円以上ですが、ホワイトゴールドのほうが定価も実勢価格も高いという差がありました。
とはいえ、当時の実勢価格は80万円程度であり、中古となると60万円台という水準でした。
その頃、この時計と同じような相場だったのはゼニスエリート搭載のパネライラジオミールだったのですが、その後両者はかつての新品実勢価格と同じ価格と同じ額に中古がなる程度に値上がり。
今では、ラジオミールはもっと値上がりし、150万円前後という相場まで上昇してしまいました。
一方、このカレヒストリークは、2009年と比べて10万円程度値上がりしたものの、ラジオミールと比べると値上がり額は弱い傾向です。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2009年9月 の安値(ヤフオク) |
2017年4月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ヴァシュロンコンスタンタン
カレヒストリーク WG |
中古 | 7年 7ヶ月 |
¥750,000 | ¥880,000 | 130,000 | 117.33% |
裏スケ仕様となっており、美しい手巻きムーブメントを眺めることができるカレヒストリーク。
同じく、手巻きのカラトラバより、希少性も高級感のある存在ですが、手巻きのカラトラバより安めの現在相場は、この時計の要素を加味すると「評価されていない」と認識するに値します。
これだけ魅力的かつ、本数も少ないこの時計が、この程度の値上がりというのは、他の時計と比較しても明らかに“お買い得”。
良いものが安く買えるというのは、たいへん良いことですが、相対的に今におけるこの時計の相場を見た場合、「カレヒストリークに失礼だ」とも言いたくなってしまいます。
これだけ評価されていない理由の1つは、600本という限定数が少なすぎて、時計ファンにあまり認識されていないのではないでしょうか。
日本でも海外でも、カレヒストリークを知る人が増えた場合、「欲しい」と思う率は高いでしょう。
ということで、このカレヒストリーク、今後相場がどうなるか楽しみな1本です。