腕時計への思い入れは人それぞれ。
その時計を見て思い浮かべる顔も、時計の数ほどあるでしょう。
あの人の大切な腕時計とは。その裏にある、大切な思い出とは――。
著名人の腕時計への思いを語っていただきます。第三回目は、タレントの赤井英和さん。
一目見て「これ、好きや」と思った
50代にして引き締まった体をキープする赤井英和さん。その腕にしっくり収まっているのは、イタリア生まれのパネライ・ルミノールマリーナだ。仕事でたまたまこのモデルをつけたのが出会いで、以来15年間愛用している。
「初めて見たとき、『あ、これは好きや』と思いました。一目ぼれです。かっこいいし文字盤が大きくてすごく見やすいと思ったんです。つけてみると、もうこれ以外の時計は考えられないほど使い勝手がいい」
そう話す、赤井さん。腕時計の文字盤は直径40mm前後が多いが、このモデルは直径44mmもありひときわ大きい。しかしながら文字盤はチタン製でステンレスに比べて軽量。大きくて見やすく、さらに軽いということで、つけ心地は抜群なのだ。また、夜になると文字盤の数字が光り、普段の文字盤とは違う色味を帯びてくるのも、見る目を楽しませてくれる。
文字盤の美しさ、革ベルトの色が決め手
「実はパネライに足を運んで、数あるモデルの中からこの時計を選んでくれたのは、僕の妻なんです」
聞けば、普段から赤井さんの服飾品はすべて奥様の佳子さんが選び、コーディネイトしているという。
取材に居合わせていた奥様に購入の決め手を聞くと、文字盤の色が絶妙にキレイで、数字の“12”、“3“、“6”の字が特に気に入ったそう。また、赤井さんが愛用しているブーツの色と、このベルトの色がマッチしているのも決め手だったという。
「主人はブーツもそうですが、革製品を身に着けることが多いんです。そんななか、この革のベルトはすごくしっくりきたんですよ」と佳子さん。
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パネライに似合う男になってきた
話を聞き進めると、“しっくり”くるようになったのは、ここ数年。このパネライを身に着けているうちに、赤井さんのスタイルが変わってきたのだという。
「この時計はジーンズにもスーツにも合うんですが、時計をもとに、そこから意識して服を選ぶようになりました。そうするうちに、前は、ワイルドで野獣みたいな雰囲気の服だったのが、この時計のように、さり気なくてシンプルでかっこいいシャツやパンツ、ジャケットを選ぶようになってきたんです(笑)。シンプルでごっつい。私が一番好きなスタイルです」
そう、はにかみながら話す奥さん。シンプルで男らしい。まさに赤井さんそのものを表すう腕時計。改めてベルトを見ると、革ベルトのふちが色あせていて、何年も使い込んできたことがわかる。
パネライと電撃的な出会いを果たすまでは、趣味のダイビングで活躍できるダイバースウォッチばかりつけていたという赤井さん。高校入学の際に親御さんからプレゼントしてもらったセイコーの腕時計を含めると、人生でつけてきた腕時計ブランドは僅か3つ。
「一度これと決めたら、目移りしないタチなんです。もちろん奥さんもそうですよ」
赤井さんの人柄、そして夫妻の絆がよく伝わってくる取材でもあった。
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