腕時計投資新聞

腕時計の[買う・使う・売る]すべてを楽しむ専門サイト「腕時計投資ドットコム」
現在相場考察

パワーリザーブは長寿モデル、パネライルミノールマリーナPAM00090

2017年4月22日更新
オフィチーネパネライのPAM00090について斉藤由貴生が執筆。本記事では2015年10月の安値(ヤフオク)と2017年4月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この1年6ヶ月での変動は¥-63,400だった。

ルミノールマリーナ PAM00090についての考察(2017年4月)

ルミノールマリーナの中でも、ちょっと上級に位置するモデルとして2001年に追加されたパワーリザーブ

絶妙な位置に配置されたパワーリザーブインジケーターが特徴的なこのモデルは、デイト表示、スモールセコンドとともに全体的なデザインバランスが独特でかっこよく、最近では60万円近くするというモデルです。

Dバックルとクロコダイルの革ベルトが標準装備というのは、ルミノールベースや手巻きのルミノールマリーナと比べて高級であるという印象を与えます。

しかしこのモデル、2002年頃のパネライブーム最中では、実はそこまで人気のあるモデルというわけではありませんでした。

  • 手巻き
  • カーフベルト
  • 2針
  • というシンプルなルミノールベースのほうがこのパワーリザーブより高い価格で売られていました。

    2002年当時は、エクスプローラやルミノールベースのようにシンプルな時計が好まれる傾向があったのです。

    “あえてシンプルかつ安いモデルを選ぶのが格好良い”という風潮があり、多くの人がシンプルなモノを求めた結果、逆にシンプルな廉価モデルのほうが高いという現象が起きていました。

    確かにシンプルなものは格好良いですが、高級なモノより高く買うというのはなんだかお得感が薄れるのも確か。

    そう思った人が一定数いたためか、2007年頃にはロレックスにおいてもパネライにおいても、安いモデルがあえて高くなるという現象は落ち着きました

    とはいえ、最近のパネライ相場においては、きっちりとした価格序列が存在しているというわけでもありません。

    44mm革ベルトモデルは手巻きでも自動巻でも大体40万円前後という価格帯ですし、GMTでも47万円前後

    しかし、パワーリザーブだけは非常に高い水準で、実際今でも50万円以上という価格を維持しています。

    オフィチーネパネライ ルミノール 44mm PAM00090¥468,000〜¥795,000(2024年11月20日現在)

    本記事の価格比較

    腕時計 状態 期間 2015年10月
    の安値(ヤフオク)
    2017年4月
    の安値(楽天)
    変動額 残価率
    オフィチーネパネライ
    ルミノールマリーナ
    PAM00090
    中古 1年
    6ヶ月
    ¥598,000 ¥534,600 -63,400 89.40%

    (この間まで458000のがあったけど売れた)

    2015年10月は60万円程度という水準だったパワーリザーブ

    かつてはGMTと同じような価格だったことから、一見するとパワーリザーブだけ飛び抜けて高いようにも思えます。

    けれども、2015年においてGMTも50万円以上していましたから、両者の価格差を考慮すると、パワーリザーブが約53万円GMTが約47万円という現在の相場はどちらも自然。

    実際、2015年におけるルミノールベースの相場は46万円程度という水準でしたから、この時計がそれより10万円ちょっと高いというのは当然といえば当然だったのです。

    しかし、このパワーリザーブ60万円というのはかつての価格を考慮すると「非常に高い」という印象になるのも確か。

    2016年に入ると、パネライ全体が少し安くなったためこのパワーリザーブも50万円台後半から50万円台前半まで下落。

    この値動きは、かつてのヨットマスターロレジウム16622と似ていますが、ロレジウムとPAM00090を比べると、PAM00090“ちょっと高く”感じます。

    しかし、この時計に関して考慮すべき点が1つあります。

    それは、この時計がまだ現行であるという点。

    最近のパネライは2000年代前半の面影をより一層感じさせなくなりつつあります。

    そのため、生産終了になった際は、「良き時代」の名作として、注目されるかもしれません。

    デビューしたのが2001年のため、2002年のパネライブームから今にかけてずっとこの時計に対して「レア」という印象はありませんが、生産終了となるとその認識は変わる可能性があるのです。

    この記事の執筆者
    斉藤由貴生
    腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
    本コンテンツには、主観的評価、見解、想定における情報が含まれています。運営者及びコンテンツ提供者は、コンテンツ内容の正確性、確実性、完全性における保証を行いません。また、コンテンツ内容にかかわる損害・トラブル等に関する一切の責任を負いません。本サイトに記載されている情報は、特に断り書きがない限り、更新日時点での情報に基づいています。