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現在相場考察

金無垢でこそ魅力が伝わる、アイクポッドヘミポッドクロノグラフ

2017年4月30日更新
アイクポッドのについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2012年9月の安値(ヤフオク)と2017年4月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この4年7ヶ月での変動は¥288,000だった。

ヘミポッド K18YGについての考察(2017年4月)

金無垢の時計といえばとても高いというイメージです。

実際、定価は100万円や200万円が当たり前ですし、新品実勢価格も100万円以上するモノが多いように感じます。

しかし、中古相場となると金無垢の時計は以外に評価されていなく、安いモノでは30万円台から購入可能です。

この30万円台というのは、定価が200万円近いブルガリなど「高級品」と言われるもので、スウォッチグループでいうならばプレステージクラスとなるブランドです。

当然、これは革ベルトやラバーベルトの金無垢時計の相場であって、ブレスレットまで金無垢となるともっと高くなります。

ただ、三雲ブランドやジャガールクルトなどの金無垢モデルは革ベルトでも100万円以上というのは当たり前。

ですからこのアイクポッドのように69万8000円という額は、金無垢時計の相場としては中間に位置する価格帯となります。

しかし、最近ステンレスのスポーツロレックス70万円以上という相場なため、この額で金無垢モデルが買えるというのは“お得に感じる”と側面もあるのです。

実際、スポーツロレックスの多くが新品30万円台で手に入った時期において、この金無垢アイクポッドの時計は80万円近くしました。

また、それとは別に特にこのアイクポッドに関しては、金無垢モデルがかなりお買い得に感じる要素があるのです。

それは、アップルウォッチの存在です。

アップルウォッチをデザインしたのもアイクポッドをデザインしたのも、マークニューソンです。

安価な時計に採用されるようなデザインを高級腕時計に応用する、というコンセプトを実現したのは1994年のことですが、それから10年ぐらい経った頃にはアイクポッドの経営は傾いていました。

アイクポッドの腕時計に対して注目する人は特にいませんでしたが、アップルは「このコンセプトこそスマートウォッチにふさわしい」と判断。

そして、アイクポッドの面影を感じるデザインで登場したアップルウォッチには金無垢バージョンの「edition」も登場。

そのeditionこそ、128万円~218万円という超高価格帯の高級モデルであり、5万円程度で購入可能なステンレスモデルより何十倍も高いのです。

最近では、金無垢ではない“金色”のアップルウォッチが登場し、高級機であるeditionはセラミック製となりましたが、アップルウォッチのデザインに金色がとても似合うのは確か。

そして、その元祖金無垢こそこの69.8万円で買えるアイクポッドのヘミポッドです。

アイクポッド(現在参考の腕時計がありません)

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2012年9月
の安値(ヤフオク)
2017年4月
の安値(楽天)
変動額 残価率
アイクポッド
ヘミポッド
K18YG
中古 4年
7ヶ月
¥410,000 ¥698,000 288,000 170.24%

ただ、アイクポッドのステンレスモデルの中古相場は10万円台といったところですから、それと比べると金無垢モデルはちょっと高めです。

しかし、そういう事情を凌ぐぐらい金無垢のアイクポッドは魅力的だと感じます。

このカジュアルデザイン+高級というコンセプトはステンレスだと分かりづらいですが、イエローゴールドだと突き抜け間がでて、非常に魅力的に映ります。

そのため、アイクポッドトゥールビヨンモデルや金無垢モデルに対し、需要が増えても不思議ではありません。

一方、ステンレスモデルは安い時計なのか高級腕時計なのかが分かりづらく、突き抜け間のなさゆえに安値なのでしょう。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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