2007年にデビューしたときは定価を大きく上回るプレミア価格となったもののそこからすぐに相場が急落したミルガウスは、何かと特徴ある存在です。
2012年頃までは中古で30万円台後半というのがミルガウス116400の相場ですが、そこからの値上がり額が10万円程度と、他のロレックスと比較して弱めというのも興味深い点です。
白文字盤はミルガウスの中で最も安く、2016年8月の時点では40万円台で購入可能でした。
そのころ、「お買い得」として記事でも取り上げたのですが、今ではそこから4万円程度の値上がり状態。
以前の記事でお伝えした2009年の相場と比較すると、17万円値上がりしたことになり、ロレックスとしては標準的な値上がり額になったと思います。
しかしそれは、あくまでオイスター系のロレックスとしての基準であり、特に6桁時代のスポーツモデルというくくりではまだ弱いように感じます。
ミルガウスはその針(時分)の形状から、スポーツ系か否かが曖昧なポジションという見方もできますが、以前より雑誌や専門店での扱いはスポーツモデル。
実際、ロレックスの公式ホームページでも“プロフェッショナルモデル”という扱いのため、スポーツ系というくくりで間違いでしょう。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2016年8月 の安値(楽天) |
2017年4月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
ミルガウス 白文字盤 116400 |
中古 | 0年 8ヶ月 |
¥493,776 | ¥537,840 | 44,064 | 108.92% |
2007年に登場したミルガウスは、
通常クリスタルの116400が、
- 白文字盤
- 黒文字盤
グリーンクリスタルの116400GVの
- 黒文字盤
という3本がラインナップされました。
しかし、通常クリスタルの黒文字盤とGVの黒文字盤のキャラクターが被っているため、黒文字盤は生産開始から5年程度で生産終了。
同じように見える黒文字盤でも、116400とGVとの間には369部分のバーインデックスの色、5から60までの秒数表記の有無という差があるのですが、ひと目見た感じではガラスの色しか違いが無いように見えたのです。
そして黒文字盤が生産終了となった後、GVには青文字盤が新登場。
白文字盤も昨年頃公式ホームページから消え、生産終了となった模様です。
今ではミルガウス=緑クリスタル、という分かりやすいアイデンティティとなっているため、白文字盤の生産終了は理にかなっていると思います。
しかし、スポーツ系として選択肢の少ないが白文字盤という存在が消えたのは、注目すべきポイントだと思います。
現在スポーツロレックスにおいて白文字盤を選択したい場合、デイトナ、エクスプローラ2、ヨットマスター2という選択肢になるのですが、エクスプローラ2を除くと100万円以上する高価格モデルしかありません。
さらに、116500LNとなったデイトナは史上初めて白文字盤のほうが人気となったモデル。今では116520もそれに影響され、白文字盤の相場のほうが高くなっています。
すると、50万円前後という額で買える白文字盤ロレックスという存在に対する印象はより“ありがたく”も感じます。
最近「白文字盤」という存在が高くなっているという点、そして選択肢が限られる点から、白文字盤のミルガウスは興味深い存在です。
とはいえ、黒文字盤も1019に似ているという見た目や、唯一5から60までの秒数表記がない文字盤デザイン、そして早期の生産終了という点から興味深いのは同じ。
そして、かつて180万円という超プレミア価格かつ過去相場との比較で値上がり額が弱い黒文字盤の116400GVも気になるのは同様です。