ロレックスブームだった2000年前後において、最も人気だったのはエクスプローラ（14270/114270）です。

その頃はシンプルなモデルが人気の要素として重要で、2002年にパネライがヒットした際にプレミア価格となったのも最もシンプルなルミノールベース。

また、シンプルさに加えて「黒文字盤」という点も人気の要素。

実際、白文字盤と黒文字盤の価格がかなり離れているという状況も珍しくありませんでした。

それが2007年になると白文字盤と黒文字盤の価格差はほぼなくなり、唯一デイトナのみ黒文字盤のほうが10万円程度高いという傾向。

そして、興味深いのは2000年と2007年の新品実勢価格を比較したときにその価格序列が変わっているという点です。

以下はとある時計店のスポーツロレックス（ステンレスのみ）の並行新品価格です。

2000年のロレックス価格

2007年のロレックス価格

最も変わったのはエクスプローラ。2000年においてエクスプローラは、デイトナ＆ロレジウムというブレス中央が鏡面仕上げの高級モデルを除いて、最も高い価格に位置していました。

しかし、2007年になるとスポーツロレックスとして最も安い位置へと下落したのです。

そしてその“スポーツロレックスで一番安い”という傾向は現在の中古相場でも同様。

エクスプローラというとロレックスブームの頃のプレミア価格の印象が強いですが、実は10年前から最も安いスポーツロレックスなのです。

実際、ロレックスの定価においてもラインナップの序列でもエクスプローラはもっとも安価なモデルという位置づけですから、2007年からの価格帯は自然な現象です。

本記事の価格比較

2000年と2007年との間では重要な出来事が起こっており、それは世界的な時計ブームという現象です。

日本はロレックスブームが99年頃から本格的に始まったため、かなり早い段階で高級腕時計の人気が高まりましたが、世界的には2005年頃という印象。

そして2005年頃において、数多くの時計が値上がりしたのです。

特に値上がりしたのはパテックフィリップで、それ以前と比べて全体的に30万円以上高くなった印象でした。

そのため、2000年と比較して2007年の相場は全体的に高くなっています。

デイトナ116520黒文字盤のみ値下がりしていますが、それはデビューしたのが2000年であり、2000年当時の相場は“出ばかりで高かった”という事情があるため。

しかし、全体的に腕時計が高かった2007年の翌年、リーマンショックが発生し、特に中古はは2000年以前より安い水準まで下落。

とはいえ現在では、相場は復活し2007年以上の高値となっています。

2005年において、既に割高という印象だったパテックフィリップはそこからさらに100万円以上の値上がりというのも珍しくないですし、ロレックスの多くのモデルも2007年の新品実勢価格より現在の中古相場のほうが高いという状況。

そして、そこから現在の中古価格を見てみるとこのような結果となります。

2017年の中古最安値（腕時計投資.com）