「腕時計の王様」という称号がふさわしいこのデイトナ16520。
とはいえ「王様」というのは黒文字盤であり、この白文字盤はそれより1つ位が下がるというイメージを持たれていた時計です。
実際、16520が現行だった2000年における白文字盤の新品実勢価格は、黒文字盤より20万円安いというポジション。
それでも65万円(税別)という定価よりだいぶ高い実勢価格のプレミア価格状態であることに変わりはありません。
その後も特に注目に値する値下がりをすること無く、2007年頃まで100万円以上という相場が続きます。
しかし、2008年にリーマンショックが起こった後、デイトナの相場は急激に下落し、特に白文字盤は70万円台で購入可能となったのです。
16520は116520と比べると相場が高い傾向でしたが、それは白文字盤同士での話。
黒文字盤となると116520よりも安く、当時の相場序列は、黒文字盤16520⇒黒文字盤116520⇒白文字盤16520⇒白文字盤116520という感じでした。
最も安いときでは60万円台ということもあり、定価である65万円を切るという事態も発生。
16520とはいえ、白文字盤という存在は“安く”扱われることがあったのです。
実際、白文字盤は「惜しい」と言われたりもし、本来この色のほうが好きなオーナーでも黒文字盤に対してコンプレックスを持ったという経験もあるかもしれません。
しかし今、そんな16520白文字盤に異変が起きているのです。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2012年4月 の安値(ヤフオク) |
2017年5月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
デイトナ 白文字盤 16520 |
中古 | 5年 1ヶ月 |
¥640,000 | ¥1,698,000 | 1,058,000 | 265.31% |
それは、16520において黒文字盤より白文字盤のほうが高くなったという点。
現在、16520の最安価格(楽天)は、
であり、ボトム価格に位置する個体は黒文字盤という現象が起きています。
2016年にデビューした116500LNは、デイトナ史上初“白文字盤の方が高い”という現象となりましたが、その影響が16520にも及んでいるのです。
116500LNと16520の見た目はベゼルの印象が大きく異なります。
そのため、116500LNで白文字盤が高いからといって、16520の白文字盤も高くなる必要性はないのですが、それでも影響を受けてしまうというのが面白い点。
そして、16520の白文字盤は2012年の64万円と現在の最安値を比べるると、なんと105万8000円も値上がりしている、ということになるのです。
まさに白文字盤の時代です。