今でこそ70万円以上という価格がサブマリーナデイトの標準的なモノであると捉えられていますが、この116610LNが登場した時期においては「かなり高くなった」という印象でした。
というのも、前モデルである16610の時代、サブマリーナデイトは30万円台で新品が売られていたのです。
その頃、オメガは10万円台が主な価格帯であったため、サブマリーナデイトが30万円台だからといって「安い」と感じた人はいないでしょう。
今ではその16610も50万円以上が当たり前の中古相場となっており、かつての新品より中古のほうが20万円程度高くなっています。
ということは、この116610LNも高くなっているはずであり、その通り登場時の新品実勢価格より現在の中古のほうがかなり高い状況です。
しかし、それは2014年頃でも確認できたこと。
その頃における116610LNの印象は、「最初から高く感じたのにより高くなり割高」というものでした。
つまり、“高い”という感覚がダブルパンチで浮かんだのが116610LNに対する2014年の感覚です。
では、その頃“買わないほうが良かったか”というと、そんなことはありません。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2014年2月 の安値(ヤフオク) |
2017年5月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
サブマリーナ 116610LN |
中古 | 3年 3ヶ月 |
¥617,463 | ¥753,840 | 136,377 | 122.09% |
高いと思った2014年にこの時計を買ったとしても、なんとそこから10万円以上の値上がり状態。
2012年という安い時期から価格が回復傾向となった2013年を経て、2014年には「ロレックスは高くなった」と感じる人が多くなったことから、相場は安定傾向になるのかと思われました。
しかし、値上がりは一回だけというわけではなく、何度も起こりうるというのがこの116610LNの事例から見えてきます。
2010年頃における116610LNの新品実勢価格は50万円台後半という水準。
16610も2007年頃において新品が50万円前後だったため、新型となって10万円近く高くなったという印象でした。
出たばかりで新品しかないという事情がある116610LNの50万円台後半という価格はかなり高いという印象です。
2010年は全体的に相場が安かったため、16610の相場は30万円台前半といったところ。
それでも2008年頃の20万台後半という相場から回復していたという事情です。
つまり、安く買おうと思えば30万円程度で買えた16610に対し、出たばかりだった116610LNはどんなに努力しても50万円台で買うしかなかったのです。
その頃、もしも116610LNも当時の16610のように中古となったら安くなるだろうと思って買わなかった場合、まさに“買い時”を逃す結果となったでしょう。
116610LNは出たばかりという本来“割高”なはずの時期における新品実勢価格より、中古のほうが年々高くなっているという現象が起きています。
とはいえ、相場は必ずしも上がり続けるわけでもないため、今後どうなるか気になるところです。