この時計が登場したのは2000年頃ですが、その頃におけるオメガの主な価格帯は10万円台という水準。
その頃、シーマスターのラインナップはスムースベゼルの120mと、回転ベゼルを搭載する300mという2つのモデルがメイン。
120mに対して、より上級な300mでも15万円程度というのが当時の実勢価格でした。
120mも300mも非常に人気があったのですが、300mについては1999年に公開された映画007シリーズでボンド公式時計として採用。
ボンド効果においても当時の人気度においても、シーマスターといえば青ベゼルの300mというイメージ。
そんなオメガのイメージの中で、アメリカズカップの限定モデルは、ホワイトゴールド製のベゼルを搭載する豪華なモデル。
また、そのベゼルと文字盤のデザインがそれまでの300mとは異なり「新しいシーマスター」を予見させるモデルでもあったのです。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2009年10月 の安値(ヤフオク) |
2017年5月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
オメガ
シーマスター アメリカズカップ 2533.50 |
中古 | 7年 7ヶ月 |
¥134,400 | ¥154,800 | 20,400 | 115.18% |
限定モデルであるということは、文字盤上のアメリカズカップロゴを見てすぐに分かることですが、ケース側面の竜頭側にも「リミテッドエディション」という表記が掘られています。
この表記、当時のパテックフィリップアクアノートのティファニーダブルネームのようにも感じますが、フォントはアメリカンな印象。
アメリカズカップという日本人にはそんなに知名度のない国際ヨットレースを記念した限定モデルですが、当時日本では多々見かけた時計です。
その頃、ドンキホーテが多数の店舗で高級腕時計の販売を行っていたのですが、そこにもラインナップされるぐらいよく見かけました。
なぜ、アメリカズカップ限定モデルがそれほど流通していたのか、というとそれはこのデザインによる影響でしょう。
というのも、このモデルは先の通り「新しいシーマスター」を予見させるモデル。
当時、GMTとともに、“ちょっと新しく豪華なシーマスター”というポジションとして重宝されたのだと思います。
その頃、よく見かけた割には中古流通の数は少ないようにも思いますが、それは当時の300mなど他のモデルも共通すること。
限定モデルであるために、本来希少なはずのアメリカズカップ限定モデルですが、そこまで希少モデルとはならず、ここ10年近くに渡り相場は安定しています。
オメガの中では、特に最近スピードマスタープロフェッショナルが10万円以上の値上がりをしているため、中古も新品もオメガは高くなったという印象もあるかもしれません。
しかし、このアメリカズカップのように2009年とほぼ相場が変わらないモデルもあるのです。