タグホイヤーといえば、今も昔も高級腕時計というくくり中ではかなり安い方の価格帯をメインとするブランドです。
特に2000年頃までは、クオーツ中心のラインナップとなっており、マニュファクチュールはおろか機械式ムーブメントのモデルすら少数派というブランドだったのです。
それが今では、自社ムーブメントの製造や安価なトゥールビヨンモデルも製造。
「マニュファクチュール」という単語を匂わせるブランドとなっています。
とはいえ、2000年頃までクオーツ中心であったタグホイヤーが、急にマニュファクチュール化といっても、あまり「ピン」とこない気もします。
他社製の機械中心、それも機械式ETAですらなく、クオーツムーブメント。10年ちょっと前までそのようなラインナップだったタグホイヤーに自社ムーブメントを作るノウハウがあるのか、と疑問に思うも自然なことだと思います。
しかし、タグホイヤーには歴史ある自社製ムーブメントが存在します。
それがキャリバー11です。
キャリバー11はブライトリング、ハミルトン、デュボアデプラと共に4社で開発したムーブメント。
単体ではないものの、タグホイヤーが開発に携わったのは確かであり、しかもそれが1960年代に開発されたということが重要です。
ですから、一見自社ムーブメントを持ってい無さそうなタグホイヤーですが、実はエルプリメロ並に歴史ある自社ムーブメント「キャリバー11」を持っているという強みがあります。
そして、そのキャリバー11を搭載し、記念復刻モデルとして2010年に限定発売されたのがこのシルバーストーンです。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2015年4月 の安値(ヤフオク) |
2017年5月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
タグホイヤー
シルバーストーン CAM2110 |
中古 | 2年 1ヶ月 |
¥340,000 | ¥398,000 | 58,000 | 117.06% |
このシルバーストーン、90年代後半に発表された復刻モデル(カレラ&モナコ)の良さを感じさせる名作だと感じます。
- ホイヤー単体ロゴ
- 「キャリバー11」など余計な表記のない文字盤
- 穴あき革ベルト仕様
など、当時のシルバーストーンを現代風に非常に良く解釈し、復刻モデル化しています。
このシルバーストーン、1970年代のオリジナルモデルはステンレスブレスレット仕様が多いのですが、カレラでおなじみの穴あきベルト仕様としたというのは特に良いポイントだと思います。
このデザインは、マークニューソンがデザインしたアイクポッドやアップルウォッチのようでもありながら、クラシカルな側面を持つという非常に味のあるモノ。
また、どことなくゴールデンエリプスのようでもあるというのも魅力的だと感じます。
- 歴史あるモデル
- キャリバー11搭載
- 魅力ある復刻デザイン
という要素を持ちながら1860本しかない、というのは需要>供給となる可能性が高そうだと感じます。