パネライにおける最も基本なモデル、ルミノールベース。
ルミノールベースといえば長らくユニタス搭載のPAM00112が現行モデルとしてラインナップされていましたが、その大本はPAM00002まで遡ります。
新生パネライのA番が始まったのは1998年のことですが、前年97年のPreAと呼ばれる時代デビューしたのがPAM00002。
そしてそのPAM00002が、2002年に裏スケ化しPAM00112となったのです。
2002年当時、黒文字盤ルミノールベースはパネライで最も人気なモデルとして“ポストロレックスエクスプローラ”という存在でした。
その頃、エクスプローラが14270から114270へマイナーチェンジしたのと同じく、このPAM00002もPAM00112へマイナーチェンジ。
D番とE番における両者の違いは裏スケか否かという差しかありませんでしたから、まさしくエクスプローラと同じようなこととなっていたのは偶然です。
そして、エクスプローラが2000年代中頃から「大人気モデル」でなくなっていたのと同じようにこのルミノールベースも「プレミア価格」「一番人気」という位置ではなくなりました。
しかし、人気が無くなったわけではなく、シンプルゆえにパネライの良さを凝縮した基本モデルとして重宝される存在。
特に2010年頃の中古相場は25万円程度であったため、価格的にも手軽なモデルでした。
それが2014年、ルミノールベースは8日間パワーリザーブを特徴とする自社製ムーブメントへと変更。
そして、その実勢価格は70万円以上という水準まで高くなってしまったのです。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2014年10月 の安値(3社平均) |
2017年5月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
オフィチーネパネライ
ルミノールベース PAM00560 |
新品 | 2年 7ヶ月 |
¥736,333 | ¥478,000 | -258,333 | 64.92% |
いくら自社ムーブメントとはいえ、ルミノールベースが70万円以上だと「かなり高くなった」という印象になるのは避けられません。
2014年というと全体的に腕時計価格が上昇している頃であり、特にパテックフィリップは今より高いモデルも多々あった時期。
その頃モデルチェンジをしてルミノールベース“ですら”70万円以上となってしまったという事実は、逆に時計ファンの「時計離れ」を起こさせる要素となってしまうぐらいマイナスだと思います。
しかし今、この70万円以上で売っていたPAM00560の中古相場を見てみると40万円台後半といったところ。
この価格、なんとPAM00112などの現在価格と10万円も差がない状態です。
この程度のプラスアルファだと「ちょっと追加して自社製ムーブメントのベースを買っていいかも」と思える金額だと感じます。
ということで、このPAM00560は今の価格だとありな選択肢でしょう。
ただし、現在の新品相場が51万6000円(3社平均)ということを考慮すると新品にメリットを感じてしまいます。
しかしそうすると、PAM00112との価格差は14万円程度となり、比べる対象ではなくなってきてしまうのが辛いところです。