腕時計投資新聞

腕時計の[買う・使う・売る]すべてを楽しむ専門サイト「腕時計投資ドットコム」
現在相場考察

男性用であることが明白、カルティエ『タンクフランセーズ』LM

2017年5月16日更新
カルティエのタンクフランセーズW51002Q3について斉藤由貴生が執筆。本記事では2009年9月の安値(ヤフオク)と2017年5月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この7年8ヶ月での変動は5万7000円の値上がりだった。

タンクフランセーズ LM W51002Q3についての考察(2017年5月)

1997年に登場したカルティエのカジュアルモデル、タンクフランセーズ

カジュアルモデルといっても98年に登場したブルガリアルミニウムとは異なり、高級なタンク若々しく近代的にまとめた、というようなモデルです。

90年代においてカルティエは、タンクフランセーズだけでなくパシャにおいても、従来のモデルよりより若々しくカジュアルなパシャCを展開。

そして、2000年前後における時計ブームの際にはロレックスの比較対象としてタンクフランセーズパシャCは存在感のあるモデルとなっていました。

パシャCタンクフランセーズも女性にとても人気なモデルですが、パシャCは35mm自動巻のみの展開であるのに対し、タンクフランセーズはSM、MM、LMと3サイズ展開

機械式ムーブメントを搭載するのはLMサイズのみであり、その他のサイズはクオーツのみとなっています。

パシャCが男女兼用という表記だったのに対し、タンクフランセーズは女性用と男性用の区別がハッキリしていたという特徴があります。

そして、それが今となっては重要なカギとなり、タンクフランセーズパシャCの相場をハッキリと分ける要素であるのです。

例えば、2009年におけるタンクフランセーズパシャCの相場はどちらも約17万円といった水準です。

しかし、現在の相場ではパシャC13万円程度であるのに対し、タンクフランセーズ22万円程度

つまり、パシャCは値下がり傾向なのにタンクフランセーズは値上がり傾向なのです。

カルティエ タンク タンクフランセーズ W51002Q3¥352,260〜¥498,000(2024年12月3日現在)

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2009年9月
の安値(ヤフオク)
2017年5月
の安値(楽天)
変動額 残価率
カルティエ
タンクフランセーズ
LM
W51002Q3
中古 7年
8ヶ月
¥171,000 ¥228,000 57,000 133.33%

現在、パシャCは既に生産終了となっていますが、タンクフランセーズはまだ現行モデルとして販売中。

ただ、現行モデルなのは女性用のSMサイズであり、男性用として販売された自動巻のLMサイズは既に生産終了となっている模様です。

今でもタンクフランセーズは所謂女子アナ的な女性が装着する様子をよく見かけるほど人気な腕時計という印象がありますが、男性で着用している人はほぼ見かけません。

パシャCが女性用としてしっくりくるのに対し、LMサイズのタンクフランセーズは女性がサブマリーナを着けているように“いかにも男性用を着けている”という感じになります。

パシャCは35mmのボリューム感のあるデザインでありながら女性用というイメージが定着しているのに対し、タンクフランセーズのLMサイズは男性用であることがハッキリとわかります。

男性がLMサイズのタンクフランセーズを装着すると、とても知的に見えファッション的にも良いでしょう。

2009年と比べると値上がり状態なタンクフランセーズですが、この価格でも“安い”と感じられるほど人気要素を兼ね備えているモデルだと感じます。

着けている男性が少なく、その見た目もファッション的に良いと思われるこのタンクフランセーズ

着けている女性が今でも多いだけに、モテるアイテムとしても良いかもしれません。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
本コンテンツには、主観的評価、見解、想定における情報が含まれています。運営者及びコンテンツ提供者は、コンテンツ内容の正確性、確実性、完全性における保証を行いません。また、コンテンツ内容にかかわる損害・トラブル等に関する一切の責任を負いません。本サイトに記載されている情報は、特に断り書きがない限り、更新日時点での情報に基づいています。