1997年に登場したカルティエのカジュアルモデル、タンクフランセーズ。
カジュアルモデルといっても98年に登場したブルガリアルミニウムとは異なり、高級なタンクを若々しく近代的にまとめた、というようなモデルです。
90年代においてカルティエは、タンクフランセーズだけでなくパシャにおいても、従来のモデルよりより若々しくカジュアルなパシャCを展開。
そして、2000年前後における時計ブームの際にはロレックスの比較対象としてタンクフランセーズとパシャCは存在感のあるモデルとなっていました。
パシャCもタンクフランセーズも女性にとても人気なモデルですが、パシャCは35mm自動巻のみの展開であるのに対し、タンクフランセーズはSM、MM、LMと3サイズ展開。
機械式ムーブメントを搭載するのはLMサイズのみであり、その他のサイズはクオーツのみとなっています。
パシャCが男女兼用という表記だったのに対し、タンクフランセーズは女性用と男性用の区別がハッキリしていたという特徴があります。
そして、それが今となっては重要なカギとなり、タンクフランセーズとパシャCの相場をハッキリと分ける要素であるのです。
例えば、2009年におけるタンクフランセーズとパシャCの相場はどちらも約17万円といった水準です。
しかし、現在の相場ではパシャCが13万円程度であるのに対し、タンクフランセーズは22万円程度。
つまり、パシャCは値下がり傾向なのにタンクフランセーズは値上がり傾向なのです。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2009年9月 の安値(ヤフオク) |
2017年5月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
カルティエ
タンクフランセーズ LM W51002Q3 |
中古 | 7年 8ヶ月 |
¥171,000 | ¥228,000 | 57,000 | 133.33% |
現在、パシャCは既に生産終了となっていますが、タンクフランセーズはまだ現行モデルとして販売中。
ただ、現行モデルなのは女性用のSMサイズであり、男性用として販売された自動巻のLMサイズは既に生産終了となっている模様です。
今でもタンクフランセーズは所謂女子アナ的な女性が装着する様子をよく見かけるほど人気な腕時計という印象がありますが、男性で着用している人はほぼ見かけません。
パシャCが女性用としてしっくりくるのに対し、LMサイズのタンクフランセーズは女性がサブマリーナを着けているように“いかにも男性用を着けている”という感じになります。
パシャCは35mmのボリューム感のあるデザインでありながら女性用というイメージが定着しているのに対し、タンクフランセーズのLMサイズは男性用であることがハッキリとわかります。
男性がLMサイズのタンクフランセーズを装着すると、とても知的に見えファッション的にも良いでしょう。
2009年と比べると値上がり状態なタンクフランセーズですが、この価格でも“安い”と感じられるほど人気要素を兼ね備えているモデルだと感じます。
着けている男性が少なく、その見た目もファッション的に良いと思われるこのタンクフランセーズ。
着けている女性が今でも多いだけに、モテるアイテムとしても良いかもしれません。