16520の年式で最も高いのはP番ですが、その前年に製造されたA番も高い傾向があります。
ロレックスブームだった2000年頃から2000年代半ばにかけて、最も安いデイトナといえば90年代前半に製造された前期モデル。シングルロックのバックルとオールサテンのブレスレットが「前期」という感じを醸し出しており不人気だったのです。
しかし、2000年代後半よりその前期モデルが逆にレアと感じられるようになり、最も安い年式は95年から98年頃までに製造されたモデルとなりました。
2012年頃においてT番などのデイトナ16520黒文字盤は80万円台後半という相場だったのですが、A番は安くても90万円台前半という水準であり、5%以上高い相場となっていたのです。
例えばT番のデイトナが88万円だった場合、A番のデイトナが5万円追加すれば手に入ったわけですから、検討しても良さそうだったと思います。
そして、その頃A番のデイトナを選択することができたならば、効率良い値上がり体験となったでしょう。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2012年9月 の安値(ヤフオク) |
2017年5月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
デイトナ A番 黒文字盤 16520 |
中古 | 4年 8ヶ月 |
¥925,000 | ¥1,800,000 | 875,000 | 194.59% |
かつて安値のデイトナとの価格差が5%程度だったデイトナA番ですが、現在の価格差は10%近いという状況。
昨年2016年12月頃より16520はそれまでの120万円という相場から160万円以上という相場まで急上昇しましたが、それに伴いA番のデイトナは180万円以上という水準まで上昇しました。
とはいえ、T番などが120万円台程度の頃、A番は140万円程度であったため、2016年12月以前よりお買い得となっているという見方もできます。
16520の数自体が少なくなってきている中、A番は特に少ないためもしかしたらこれ以上の上昇も期待できるかもしれません。
特にA番の16520は、デイトナ16520の相場が120万円前後だった頃、今より“A番によるプレミアム”が高く評価されていましたし、最終年式の1つ前という品番はGMTマスター2の16710などでも評価される傾向にあります。
2016年までのA番に対する付加価値を今のデイトナ相場に当てはめた場合、T番などに対して16%高のプレミアムとなるわけです。
16520黒文字盤のT番などが165万円だった場合、16%上乗せするとA番のデイトナは191万円程度となります。