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現在相場考察

グランドコンプリケーションという存在、パテックフィリップ永久カレンダー3940

2017年5月17日更新
パテックフィリップの3940について斉藤由貴生が執筆。本記事では2004年春頃の安値(タイムトンネル)と2017年5月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。このでの変動は¥1,800,000だった。

永久カレンダー 3940についての考察(2017年5月)

近頃、3針ステンレスのノーチラスの青文字盤が特に高く、その相場は350万円以上という水準です。

同じくステンレスのアクアノートもブレスレット仕様だと200万円以上という相場であり、とても高いという印象。

そして、それに伴って複雑機構モデルとなるとさらに高値であり、年次カレンダーの人気モデル5396の後期文字盤は400万円前後という水準です。

プチコンに属する年次カレンダーですら400万円程度であるわけですから、グランドコンプリケーションとなるといったいいくらになってしまうのかと感じます。

トゥールビヨン、ミニッツリピーター、永久カレンダーといえば1000万円超えクラスの腕時計における機構としておなじみですが、パテックフィリップにおいてもグランドコンプリケーションと分類される複雑機構です。

パテックフィリップの腕時計といえば、先のアクアノートなどのようにシンプルな3針でもその機械は大変優れているとされ、高価なモノとなっています。

ですから、パテックフィリップの永久カレンダーともなると、1000万円をゆうに超える中古相場となっていてもおかしくありません。

しかし、そんなイメージとは裏腹に、永久カレンダーのグランドコンプリケーション年次カレンダー5396にかなり近い額で売っています

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2004年春頃の安値(タイムトンネル) 2017年5月
の安値(楽天)
変動額 残価率
パテックフィリップ
永久カレンダー
3940
中古 12 ¥2,800,000 ¥4,600,000 1,800,000 164.29%

現在の相場から相対的に見ると、永久カレンダーの価格460万円はとても安く感じます。

しかし、値上がりした額は180万円という水準であり、まさに投資対象の時計として優れたモデルでもあるのです。

ちなみに、この記事の個体はパテックフィリップ正規サービスセンターにてオーバーホール済みとのことで、とても安心できる1本です。

通常の時計とは違い、複雑機構モデルはデリケートであり「オーバーホール」という重要性が高いモデルです。

使うだけで壊れる可能性は3針よりずっと高く、トラブルの可能性が他の時計より随分と高い時計です。

まして、オーバーホールも手軽に行えるわけではなく、その費用も時間もかかります。

通常の3針モデルと異なり、オーバーホールの重要性がかなり大きな永久カレンダーは、希少モデルでありながらも、メンテナンスの不安から敬遠される傾向があります。

しかし、注目すべきは2004年にこの時計を買ったならば、オーバーホール代で仮に50万円程度かかったとしても、まだ100万円以上の値上がり状態ということ。

年次カレンダーと価格差があまりない永久カレンダーは、選択肢として考慮して良い1本だと思います。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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