近頃、3針ステンレスのノーチラスの青文字盤が特に高く、その相場は350万円以上という水準です。
同じくステンレスのアクアノートもブレスレット仕様だと200万円以上という相場であり、とても高いという印象。
そして、それに伴って複雑機構モデルとなるとさらに高値であり、年次カレンダーの人気モデル5396の後期文字盤は400万円前後という水準です。
プチコンに属する年次カレンダーですら400万円程度であるわけですから、グランドコンプリケーションとなるといったいいくらになってしまうのかと感じます。
トゥールビヨン、ミニッツリピーター、永久カレンダーといえば1000万円超えクラスの腕時計における機構としておなじみですが、パテックフィリップにおいてもグランドコンプリケーションと分類される複雑機構です。
パテックフィリップの腕時計といえば、先のアクアノートなどのようにシンプルな3針でもその機械は大変優れているとされ、高価なモノとなっています。
ですから、パテックフィリップの永久カレンダーともなると、1000万円をゆうに超える中古相場となっていてもおかしくありません。
しかし、そんなイメージとは裏腹に、永久カレンダーのグランドコンプリケーションが年次カレンダー5396にかなり近い額で売っています。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2004年春頃の安値(タイムトンネル) | 2017年5月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
永久カレンダー 3940 |
中古 | 12 | ¥2,800,000 | ¥4,600,000 | 1,800,000 | 164.29% |
現在の相場から相対的に見ると、永久カレンダーの価格460万円はとても安く感じます。
しかし、値上がりした額は180万円という水準であり、まさに投資対象の時計として優れたモデルでもあるのです。
ちなみに、この記事の個体はパテックフィリップ正規サービスセンターにてオーバーホール済みとのことで、とても安心できる1本です。
通常の時計とは違い、複雑機構モデルはデリケートであり「オーバーホール」という重要性が高いモデルです。
使うだけで壊れる可能性は3針よりずっと高く、トラブルの可能性が他の時計より随分と高い時計です。
まして、オーバーホールも手軽に行えるわけではなく、その費用も時間もかかります。
通常の3針モデルと異なり、オーバーホールの重要性がかなり大きな永久カレンダーは、希少モデルでありながらも、メンテナンスの不安から敬遠される傾向があります。
しかし、注目すべきは2004年にこの時計を買ったならば、オーバーホール代で仮に50万円程度かかったとしても、まだ100万円以上の値上がり状態ということ。
年次カレンダーと価格差があまりない永久カレンダーは、選択肢として考慮して良い1本だと思います。