かつてIWCはロレックスより高級というイメージがあり、実際の相場もその通りロレックスより高い傾向でした。
オメガのように真面目な時計作りであるにもかかわらずロレックスより高級。
この主張しすぎず“通な時計”というイメージはまさに日本人が好むキャラクターだと思います。
しかし、その主張すぎずというのが時には「分かりづらい」という結果を引き起こし、実際IWCの知名度はパネライ並に高いとは言えません。
分かりづらい、ということがまさに良さである反面、多くの需要を生み出さないということにも作用してしまっているのです。
同じくイメージが掴みづらいブランドであるピアジェの場合、実は歴史あるマニュファクチュールという意外性があるのですが、IWCにはそのような側面もありません。
また、IWCというブランドのキャラクターも時代によって変化していくため、時計が好きな人でもそのイメージを理解するのには時間がかかるでしょう。
そのようなブランドの事情もあり、2000年頃のロレックスブーム時における扱いもそれ以降の扱いも決してメインの位置ではない扱いとなっています。
そうとはいっても、IWCに人気があるのは確か。
そして、それは日本だけでなく世界中で同じだといえるでしょう。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2012年4月 の安値(ヤフオク) |
2017年5月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
IWC
ポルトギーゼ IW371401 |
中古 | 5年 1ヶ月 |
¥441,000 | ¥478,000 | 37,000 | 108.39% |
これだけ時計ファンから人気のあるIWCですが、2012年と2017年で相場がほぼ変わっていないのは、まさに需要>供給となりづらいから。
この原因は、先のようにIWCというブランドのわかりづらさだけでなく、モデルそのもののわかりづらさも問題なのです。
ポルトギーゼやポートフィノなど各モデルにオートマチック、クロノグラフというように様々なラインナップが展開。
例えばロレックスの場合、クロノグラフモデルがデイトナ、GMTモデルがGMTマスターというように、機能に対してシリーズが分けられているため、各々のモデルを覚えやすいのです。
また、オメガの場合、スピードマスターにもシーマスターにもクロノグラフモデルがありますが、スピードマスターはクロノグラフのみでシーマスターのクロノグラフはほぼないため、その棲み分けは理解可能です。
一方、IWCの場合、「ポルトギーゼ」「ポートフィノ」とモデル名をいわれても、そのモデルがどのような形をしているのかをイメージできる難易度はオメガと比べても高いといえるでしょう。
よって、世界中でIWCの時計は人気があるにもかかわらず、2012年と2017年でほぼ値段が変わっていないという状況になっているのです。
2012年と比較して高くなった時計が多々ある中、相場がほぼ変わらないIWCは、今の時期においてかなり狙い目といえるでしょう。
ただし、上記の通り構造的に需要>供給となりづらい側面があるため、「値上がりを期待せずお得にIWCの良い時計を楽しむ」と考えたほうが良いでしょう。