モンツァという時計が出たのは2001年のことで、タグホイヤークラシックリーズの3番目のモデルとしてデビューしました。
当時のタグホイヤーは今とは異なり、クオーツ中心の構成。
ラインナップされていた時計のほとんどは防水機能を売りにしたモデルであり、ブレスレット仕様がほぼ全てという印象でした。
そんなタグホイヤーのラインナップにおいて、1996年に「限定モデル」として投入されたクラシカルなカレラはかなりの人気モデルとなり、全く同じ内容で再度販売されます。
そのため、カレラCS3111などには、同じ見た目でも2種類の裏蓋が存在。
1つは限定モデル時代に製造された「Re-Edition」と書かれたモノ、もう一つはその表記がないモノとなっているのです。
そして1997年には同じく限定でモナコも復刻。
翌年1998年モナコは限定モデルではなくなるのですが、カレラとは異なり、限定解除された時にはモデルチェンジが行われました。
限定モデル時代のモナコは2つ目、限定解除後のモナコは3つ目のデザインとなっており、その両者の区別は分かりやすい傾向です。
2000年になるとカレラの文字盤もマイナーチェンジ。
黒文字盤は3つ目にフチが付いたデザインとなり型番もCS3111からCS3113へと変更。また、ピンク文字盤のCS3112も投入されました。
そして、カレラには3針GMTモデルも投入され、徐々にクラシックシリーズのラインナップがタグホイヤーの中で目立った存在となってきたのです。
2001年にこのモンツァが投入されたのですが、タグホイヤーは翌年2002年よりクラシックシリーズをラインナップの中心にしていきます。
そのため、「ホイヤー」ロゴから「タグホイヤー」ロゴへと変更され、各モデルともモデルチェンジがなされました。
復刻版という扱いでなくなったカレラ、モナコ、モンツァの雰囲気自体もクラシカルな印象は薄れてしまっています。
今となっては、1996年から2001年までにホイヤーロゴで生産された「復刻版扱い」のモデルがとても魅力的に見え、その人気は世界中で高まりつつあります。
特にカレラは最近品薄状態で、現在日本で売られているモノは無い状況です。
また、世界全体で見た場合でも、かなりの品薄状態であり、その総数は10本以下というレベル。
つい1年ほど前までカレラは10万円台で売られていましたが、最近は20万円を超え、そしてついに買おうと思っても買うことができない希少モデルとなってしまったのです。
ですからこのモンツァは、まだ買うことができるレアな時代のホイヤークラシックシリーズという存在。
しかも、このホイヤーロゴのCR2110は2001年にデビューし、翌年2002年には生産終了されているという希少なモデルでもあるのです。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2010年10月 の安値(ヤフオク) |
2017年5月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
タグホイヤー
モンツァ CR2110 |
中古 | 6年 7ヶ月 |
¥176,000 | ¥139,320 | -36,680 | 79.16% |
このモンツァの現在価格は約14万円。
ただしこの個体、程度が通常売られているモノほど良くないため、相場より若干安いと判断したほうが良いでしょう。
それを考慮しても、このモンツァは2010年と相場がほぼ変わっていなく、お買い得であることに変わりはないでしょう。
ただ、カレラとモナコと比べると、モンツァはキャラクターがはっきりしないという難点も存在。
カレラは丸型手巻き、モナコは角型自動巻きであり、それぞれ歴史も分かりやすいモデルです。
2001年にモンツァが出た際は、「新しさを感じる復刻モデル」というキャラクターだと感じましたが、今において新しさを感じることはありません。
このモンツァというキャラクターは、レアな復刻版時代のタグホイヤーとして今こそ分かりやすいキャラクターを得たようにも思います。
この見た目とホイヤーロゴがとても良くマッチしていて、魅力的な1本だと思います。