6桁時代のシードゥエラーが出たのは2014年と最近のこと。
それまで6桁時代のシードゥエラーにはディープシーが存在しましたが、それはディープシーというサブネームが付く通り、“もう一つのシードゥエラー”という印象です。
ですから、ディープシーというモデルに対して、普通のシードゥエラーの6桁リファレンスモデルがあると考えるのは自然です。
しかしその普通のシードゥエラーの6桁リファレンスは、2008年に生産終了後2014年まで無かったのです。
シードゥエラー16600といえば、5桁リファレンス時代に16610とともに注目されたモデル。
その見た目は“デイト表示の拡大鏡の有り無し”だけというようにも映るほど似ている両者ですが、サイクロップレンズの有無は画像でも分かりやすくひと目でサブマリーナかシードゥエラーかの判別は可能でした。
そして、シードゥエラーのほうがサブマリーナより高かったため、より高級という印象がありました。
それが2007年以降の6桁リファレンス時代の場合、ちょっと分かりづらくなったのです。
まず、2008年にディープシーが出たことにより、シードゥエラーは6桁時代に移行します。
ただその際、16600に対する新モデルは出ること無く、ディープシーのみがシードゥエラーのラインナップとして用意。
そして2008年から2014年までの6年間、“普通のシードゥエラー”という存在が不在だったのです。
2014年に16600の後継として116600が出た際は、正統派ともいえる進化であり、再度5桁時代と同じようにサブマリーナ116610LNと兄弟的なラインナップとなりました。
しかしその際、同時にディープシーのDブルーダイヤルが登場。
そのため、Dブルーダイヤルの印象が強すぎて、この116600に関心を持つ人はあまりなかったのです。
シードゥエラーはこれまでモデルチェンジした際にその防水性能も上昇していましたが、116600は前モデルである16600と防水性能は同じ。
そして、その半端な存在となってしまい注目されなかった116600は2017年、新しい“赤シード”が出たことにより生産終了。新しいシードゥエラー126600は、“サイクロップレンズ付きで1220m防水”という内容ですからまさに正常進化といえるでしょう。
Dブルーや赤サブのような強い特徴が無かったシードゥエラー116600は、約3年という類まれに見る短命モデルというレアな存在へと変化したのです。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2016年10月 の安値(ヤフオク) |
2017年6月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
シードゥエラー 116600 |
中古 | 0年 8ヶ月 |
¥732,240 | ¥1,122,550 | 390,310 | 153.30% |
そのため近頃、相場が一気に40万円近くも上昇。
この値上りこそまさに116600が生産終了となったことが原因でしょう。
強い特徴要素が無かった116600ですが、生産終了されたことにより、「レア」という強烈な記号を備えたモデルとなったのです。
そして、生産終了されてみると5桁時代の個性を踏襲したままモデルチェンジされた6桁モデルとして、魅力的な側面があるようにも感じます。
これまでレアなシードゥエラーといえば、赤シードやディープシーなど強い個性があるモデルでしたが、これからは意外にもオーソドックスなほうが「逆にレア」ということになるのかもしれません。