2005年頃までのパネライは、ラジオミールを最高級モデルとしており、そのラインナップの中には様々なレアムーブメントを搭載した超高級限定モデルも展開されていました。
一方のルミノール系にはそのようなムーブメントが搭載されることはなく、基本的には手巻きのユニタスが搭載。
とはいえ、ルミノールの全てが高級な位置づけでなかったわけではなく、クロノグラフという高級モデルが存在します。
序列を簡単に示すと上から高級な順に、
⇒バルジュー7750
⇒ユニタス
⇒ユニタス
となります。
そしてその頃のルミノール系において、最も豪華なムーブメントを搭載していたのがルミノールクロノのフライバックモデルPAM00060です。
このモデル、デビューしたのは2000年なのですが、その頃の新品実勢価格は金無垢ラジオミールより高く、実はラジオミールの通常モデルよりも高いという存在でした。
なぜなら、このPAM00060は“限定モデル”であり、ラジオミールと比較するならばフレデリックピゲ搭載などの限定ラジオミールと比較しなければなりません。
ですから、プラチナラジオミールのように、高級な限定モデルとしてPAM00060は高くて当たり前なのです。実際、長きにわたり“100万円以上する高いパネライ”という位置をキープしているため、今も昔も高いという印象があります。
しかし、なんとこのPAM00060、ここ1年で値下がり傾向。
一方、金無垢ラジオミールは150万円近くまで相場が上昇するという値上がり状態ですから、今の相場では“限定モデル”でないラジオミールより安い相場となっているのです。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2016年7月 の安値(楽天) |
2017年6月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
オフィチーネパネライ
ルミノールクロノ PAM00060 |
中古 | 0年 11ヶ月 |
¥1,380,000 | ¥1,211,700 | -168,300 | 87.80% |
このPAM00060が1年前より16万円も安く買える一方、フライバックの無い通常モデルのPAM00072などは値上がり中。
同じくエルプリメロを搭載する両者ですが、このPAM00060にはフライバックという付加価値以外にも、特別な文字盤デザインなどが人気要素が存在。また、この時代の高級限定パネライは“高い”という傾向もあり、PAM00060はPAM00072より本来人気があるのが普通です。
PAM00072は、エルプリメロを搭載するパネライの高級モデルという強い要素を持ちながら2016年の一時期は65万円程度でも買えたという現象が起こった時計。
しかし、今では約94万円という価格まで上昇し、エルプリ搭載のパネライとして正当な評価となりつつあります。
にもかかわらず、限定モデルであるフライバックは16万円以上も値下がりしているのです。
2013年頃の水準より現在のほうが高いですが、それを考慮してもこの魅力ある限定モデルを1年前より16万円安く購入可能というのはなかなか良いと感じます。