年次カレンダーにおいて最近人気なのは、5396のように曜日と月が小窓なモノという傾向があります。
小窓タイプの年次カレンダーとして一番最初に登場したのは、意外にも特別なモデルである5125です。
5125は、ドイツのパテックフィリップ販売店であるWEMPEの記念モデルとして2003年に登場。
その頃、年次カレンダーには小窓タイプのモデルがありませんでしたが、5125が大変な人気となったことにより、パテックフィリップはその後、小窓タイプの年次カレンダー5396をデビューさせます。
また、ノーチラスにも年次カレンダーを設定した際も小窓デザインとし、今では年次カレンダーといえば小窓タイプが一般的と認識する方もいるでしょう。
では、小窓タイプではない年次カレンダーの人気度はどうかというと、1996年に登場した初代年次カレンダーである5035は最近あまり人気がない模様。
5035の相場は相対的に安めの水準が続いているにも関わらず、あまり売れていない様子です。
しかし、5035の後継モデルであるこの5146は、最近かなり売れている様子を目にします。
ちなみに下記の相場は全く同じ数値ですが、たまたまそうなっただけで販売しているお店は異なります。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2016年8月 の安値(楽天) |
2017年6月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
年次カレンダー 5146G-010 |
中古 | 0年 10ヶ月 |
¥3,218,400 | ¥3,218,400 | 0 | 100.00% |
300万円以上という価格帯、さらに数ある年次カレンダーの1モデルとして、特に目立つ要素がないこの5146Gが立て続けに売れるというのは、このモデルが“かなり人気”ということを示しているといって良いでしょう。
この5146がデビューしたのは2005年なのですが、そこから10年以上経った今でも現行モデルとしてラインナップされています。
興味深いのは、姿が似ている5035は不人気なのに、この5146は人気だという点。
5035と5146の違いは、パッと見た感じ、
という点ぐらいしか感じられません。
しかし、その小さな要素が見た目において「格好良さ」を引き立てているのです。
その他にも
というデザイン的な進化があり、格好良さをより一層引き立てています。
ただし、これら要素は5035が現行だった当時、既に5056Pに採用されていた内容。ただ、末尾のPから分かる通り、プラチナ版しかないという超高級モデルだったのです。
そして、通常モデルである5035の後継として、従来豪華版であった内容を取り入れたのがこの5146。
ですから、5146のデザイン面において新しいのは、
という点にとどまります。
ちなみに、
という点は5035が現行だった頃から女性用の4857Gにおいて既に採用されていたデザインです。
なお、その他にも5035、5056Pから
という変化が存在し、1つずつ羅列すると意外にも変更点が多いのです。
この5146は、5035を“少し”変えたモデルにも見えますが、その“少し”に見える改良はとても非常に大きな意味を秘めています。
年次カレンダーというモデルは実用性も高く、スレートグレー文字盤にWGという見た目は、主張しすぎることもなく、地味すぎるわけでもありません。
ですから5146というモデルは、デザイン面でも機能面でも毎日飽きずに着けられる最高級モデルだと感じます。