パテックフィリップ独特の機構といい、見た目といい、古いモデルのオークション価格といい、なにかと強い話題性を秘めているワールドタイム。
現在のように普通に売られるようになったのは、2000年にデビューした5110以降で、それを現代版ワールドタイムの初代だとすると、2016年にデビューした5230で三代目となっています。
現在よく見かけるのは二代目の5130ですが、デビューしたのは2006年のこと。
初代と比べて大きく変わったのはケースの経で、5110より一回りほど大きくなっています。
初代モデルの5110は、人気のあったにもかかわらず6年という比較的短いタイミングでモデルチェンジされたのは、ケースサイズが大きな理由かもしれません。
というのも5110がデビューした2000年頃は、一般的なメンズサイズは35mm前後、スポーツモデルは38mmか40mmという大きさが一般的。
それが、2002年のパネライブーム以降、44mmというパネライの大きさに触発されて、他のブランドも大きくなってしまったのです。
そして、大きくなったワールドタイム5130はパテックフィリップの狙い通り人気モデルとして、多くの人からも憧れられます。
5110と比較して常に相場は高めな5130ですが、人気というだけでなく、デビュー当初より新品実勢価格が高めという事情もあります。
そのため、2012年11月という時期においても200万円を下回ることはありませんでした。
その頃、5110のほうは約180万円という水準だったため、新型のほうが旧型より40万円程度高く、若干“割高”と感じさせる相場だったといえるでしょう。
しかしそれが、なんと100万円以上の値上り状態。
5110の場合、2012年と比較すると70万円程度の値上り状態ですから、5130のほうが値上り額が勝っているのです。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2012年11月 の安値(ヤフオク) |
2017年6月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
ワールドタイム 5130G |
中古 | 4年 7ヶ月 |
¥2,206,050 | ¥3,345,840 | 1,139,790 | 151.67% |
しかもこの個体は、ケースに凹みがあるため、訳あり価格として現在相場としてはかなり安めな個体。
ちなみに、訳ありでない通常の5130は、現在380万円以上という水準であるため、それを現在相場と定めた場合、2012年から値上がりした額は1,686,850円となります。
また、二代目ワールドタイムにはクロワゾネ文字盤など特殊なモデルも存在。
現在、クロワゾネ文字盤が1本売られていますが、その価格は1480万円です。
初代モデルはシンプルなラインナップであり、クロワゾネ文字盤のようなものは存在しませんでした。
二代目モデルの場合、ケース拡大による近代化だけでなく、このクロワゾネ文字盤のような存在が、より一層人気を高めているのかもしれません。