現在、近代的なロレックスの中で最も安く買えるモノは何かというと、5桁リファレンスのエアキングなるかと思います。
4桁リファレンスという存在もあり、それらエアキングやデイトジャストは現在でも20万円程度で購入可能なため、最も安い存在はそれとなるのですが、そこには少しややこしい事情も存在。
4桁リファレンスの場合、スポーツモデルとなると6桁リファレンスと比較しても圧倒的に高いというように、ロレックスの年式において最も高い存在です。一方、非スポーツモデルの場合は、扱いがロレックスというよりも“無名だけど良い時計”扱いのクロノグラフなどと並べられる傾向が多く、ロレックスでありながら一般的なロレックスとはキャラクターが違うという傾向なのです。
では5桁リファレンスのエアキングが、現在どのような価格帯で買えるかというと、20万円台後半という水準。
5桁リファレンス時代のエアキングには、大きく4つのモデルが存在しますが、14010Mがもっともレアなモデルといえるでしょう。
よく見かけるスムースベゼルの前期モデル。
上記の後期モデル
エンジンターンドベゼル仕様の前期モデル。
上記の後期モデル
リファレンス末尾にMが付いたのは2001年のこと。その際、変更になったのはムーブメントがCal.3000から、新しいCal.3130になったという点です。
ツインブリッジ構造になったこのCal.3130は、同時期のオイスターパーペチュアル、サブマリーナノンデイトにも採用され、それらもリファレンスの末尾にMが付きました。
エクスプローラも同じ変更が行われたのですが、唯一リファレンス自体の変更が行われています。
エクスプローラとオイスターパーペチュアル以外のCal.3130を搭載するモデルは、ノンクロノメーターだったのですが、2007年以降は全モデルがクロノメーター化。
サブマリーナノンデイト14060Mはこの時モデルチェンジされること無く、2007年以降も継続して生産されたのですが、文字盤にクロノメーター表記が加わるという見た目的な変化が存在します。
一方、エアキングとオイスターパーペチュアルは6桁リファレンスの新型へとフルモデルチェンジ。
新型となったエアキングは、それまで存在しなかったダイヤ文字盤やWGベゼルモデルも存在するという、複雑なラインナップへと変化。
一方、それと比べるとシンプルなラインナップである5桁時代のエアキングは、「良き時代の」と思うファンもいる存在。
5桁時代のエアキングは、6桁時代と比べてさらに軽く、ケースも小ぶりで使いやすいのに、2007年以降のモデルでも使われている近代的なムーブメントが搭載されています。実際この実用性は、なかなか魅力的だといえるでしょう。
それでいて、エンジンターンドベゼルというひと味違った要素を持つこの14010M。現在、最も安いロレックスという存在です。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2010年11月 の安値(ヤフオク) |
2017年6月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
エアキング 青文字盤 14010M |
中古 | 6年 7ヶ月 |
¥149,800 | ¥289,440 | 139,640 | 193.22% |
現在、5桁時代のエアキングにおいて最も安いのは14010で、27万円という価格。
それに対して、後期モデルのMが約2万円足して買えるのですから、レア感、実用性、満足度などを考えると2万円足して後期を買っても良いと思います。
またこの時計、新品当時より比較的地味なモデルとして、大きく注目されるような存在ではありませんでしたが、2000年代前半に新品で買った場合その価格より値上がりしているという優秀なモデル。
まして2010年頃には15万円以下というかなりの安値で売られており、それと比べた場合、なんと10万円以上も値上がりするという立派なモデルなのです。
このエンジンターンドベゼルは、不人気要素として「安くなりがち」と言われることもあるでしょう。
しかし、きちんと情報を整理していくと、決してダメなモデルではないのです。