2000年頃、高級なスピードマスターとしてデビューしたムーンフェイズとブロードアロー。
その頃これら両者は、白文字盤に青いブロードアロー針という見た目と当時の実勢価格が似たような水準であったため、双子のように取られられることもありました。
見た目が似ている両者ですが、ムーンフェイズのほうはWGベゼル仕様であったり、ブレスレットの形状が異なるという違いも存在。
そして、今となっては、ムーンフェイズとブロードアローの相場は異なります。
高くなったのはどちらかというと、このムーンフェイズ。
ムーンフェイズは、高くなったというだけでなく、売り出されている個体もかなり少ないというように、いつしかレアモデル化しています。
そして、そんなムーンフェイズにはさらにレアなモデルが存在。
それがこの銀文字盤に銀色の針、というレアモデル3575.30です。
このモデル、新品時において店頭では「ヨーロッパ限定」と書かれ、通常モデルよりレア感があったものの、実勢価格は白文字盤となんら変わりありませんでした。
その頃の実勢価格は新品で25万円程度という水準でしたから、新品で買っても値上がりしたオメガという珍しい存在でもあります。
いつから高くなったかかというと、2007年頃に生産終了された際には既に2005年頃の新品実勢価格を上回っていたのですが、2012年頃には20万円程度にまで下落。
しかし、それが2017年には30万円台後半という相場まで上昇し、かなり優秀な値上りを果たしているのです。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2012年8月 の安値(ヤフオク) |
2017年6月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
オメガ
スピードマスター 3575.30 |
中古 | 4年 10ヶ月 |
¥209,999 | ¥367,200 | 157,201 | 174.86% |
30万円台後半といえば、現在フランクミュラーのカサブランカやパネライラジオミールのブラックシールが買える価格です。
それらは、このスピードマスター3575.30が現行だった当時、遥かに高い存在ですが、現在では同水準の中古価格となっています。
また、その頃新品が60万円程度だったパシャ38mmクロノグラフは、現在このムーンフェイズより安いという状況。
ですから今、ムーンフェイズのスピードマスターはかなり人気があるといえるでしょう。
スピードマスタープロフェッショナルといえば、黒文字盤の印象ですが、白文字盤というのがかなりのレアなポイント。
そしてそれが銀針の銀文字盤となるとレア感はより一層強くなるのです。
また、ムーンウォッチの高級モデルという存在も、現在レア感が強いと感じます。
3570.50の雰囲気を踏襲しながらも、WGベゼルや銀文字盤を採用するという点が、高級モデルの特別感をうまく演出。
そして、銀文字盤だとムーンフェイズの青がより引き立ち、見た目的にも魅力的な1本となっています。
そのため、3575.30が需要>供給となりやすいことは明白で、これだけ値上がりしたというのは自然なことだと感じます。