レベルソという腕時計に対して「長方形+手巻き」という印象が強いですが、「正方形+自動巻」というモノも存在します。
それはレベルソスクアドラというモデルで、2006年にデビューした比較的新しいモデル。
ロレックスの4桁モデルを第一世代とするならば、5桁モデルが第二世代となり、6桁モデルが第三世代となりますが、このレベルソスクアドラは第三世代に相当。
同じく第三世代に相当するパテックフィリップノーチラスの5711がそうであるように、まだまだ現行モデルとして販売されている世代のモデルです。
しかし、このレベルソスクアドラは既に生産終了。
第三世代の腕時計は、第二世代と比べると人気が弱い要素があるため、このレベルソスクアドラのように短期で生産終了となっているモノが多々ある印象です。
レベルソの雰囲気を踏襲しながらも、若々しい要素を取り入れたかったレベルソスクアドラ。
この時計は、横35mmと実寸ではそこまで大きくありませんが、ケースの厚みのせいかかなり大きく感じます。
2006年頃における最新腕時計の要素が盛り込まれたレベルソスクアドラですが、その際流行っていた「デカアツ」などの要素は、今となってはどれも“人気”とはいえない状況です。それは第三世代の腕時計が出た時既に、昔からの時計ファンが思っていたことであり、2010年頃において、レベルソスクアドラは当時としては新しめの時計であるにもかかわらず約31万円という価格で売られていたのです。
この時計、レベルソとして見ると“らしくない要素”が多々あり、魅力にかける印象となります。
しかし、「レベルソ」ということを考慮せずにこの時計を判断すると、『マニュファクチュール、ジャガールクルト、プチコン的仕掛け』という要素を連想させられ、30万円という価格ではかなり安いと感じるのです。
そのため、レベルソとしては不人気要素満載でも、実際2010年と比べて約18万円の値上り状態。
実際、49万8000円という現在価格は、今の相場において相対的に適正価格だと感じます。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2010年9月 の安値(ヤフオク) |
2017年6月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ジャガールクルト
レベルソスクアドラ Q7008420 |
中古 | 6年 9ヶ月 |
¥316,555 | ¥498,000 | 181,445 | 157.32% |
このモデルは、レベルソスクアドラの中でもホームタイムというGMTモデル。
9時位置の小窓に「AM/PM」が表記されるのという点が、他のGMTモデルとひと味違ったプチコン的要素ですが、これはホームタイム針と連動しています。
ホームタイム針は中央が透ける形状で、時針と分針が黒色。
自身が他国にいるときは、ホームタイム針で自国の時間を表示させるわけですから、外の景色を見ても朝か夜かを判断できません。そのため、ホームタイム針に「AM/PM」の表記を連動させることにより、自国が朝の10時なのか夜の22時なのかをすぐに理解することが可能です。
そして、このホームタイム針は、時針と見事に重なる設計となっており、自国にいて第三国の自国を把握する必要がない場合、通常の2針腕時計のような見た目になるのです。
いかにもジャガールクルトといった感じの細かい仕掛けの数々がとても魅力的。
そして、レベルソですから、当然ケースを反転させることもでき、裏スケ仕様のムーブメントを眺めることができます。
自動巻のローターがあるという点はレベルソとして若干の違和感がありますが、ムーブメント自体の見た目はそれを忘れさせるほど美しいと感じます。
ということでこのレベルソ、上記のような魅力的な要素が多々あるわけですから、現状相場でも納得の1本だと思います。