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現在相場考察

高級志向のルミノールGMTは値下がり傾向、オフィチーネパネライPAM00161

2017年7月8日更新
オフィチーネパネライのPAM00161について斉藤由貴生が執筆。本記事では2011年8月の安値(ヤフオク)と2017年7月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この5年11ヶ月での変動は¥-38,900だった。

ルミノールGMT PAM00161についての考察(2017年7月)

ルミノールGMTといえば、現在でも現行モデルであるPAM00088の印象が強いですが、このPAM00161はその高級版という印象です。

デビューした時期は2003年であるため、PAM00088より2年遅いのですが、この“2年”というのがこのPAM00161にとってとても重要で、高い腕時計という印象を形成する理由の1つでもあります。

このPAM00161というモデル、新品実勢価格は90万円という時期もあり、2009年のようにパネライが全体的に安かった時期でも約70万円という新品実勢価格です。

同じ時期において、PAM00088は20万円程度安かったため、ブレスレット代=20万円とも捉えることができるのですが、その差額以上にPAM00161は高級モデルという印象が強いモデルなのです。

実はPAM00088には、新品実勢価格が約30万円という時期が存在。

特にパネライがブームになり始めた2001年頃は、革ベルトの40mmより安かったのです。

その頃、44mmより40mmのほうが高い相場だったのですが、人気も40mmのほうが高いという傾向でした。

高い順に40mmブレスレット>40mm革ベルト>44mmとなり、最も高いルミノール=ブレスレットモデルという印象になったのです。

また、パワーリザーブはもともと40mmでの設定がなく、ブレスレットモデルもありませんでしたが、2002年に40mmブレスレットモデルにパワーリザーブが投入されたのです。

その際登場したPAM00126はかなり高級な人気モデルとして認識されます。

そして、その翌年2003年にそれを44mmにしたパワーリザーブが投入され、より高級という認識になったのです。

その際同時に登場したのがこのGMTの44mmブレスレットモデル。

GMTとパワーリザーブは似たような価格帯となるため、このGMTも「高級なパネライ」ということで、かなりの高値の存在となったのです。

ですから、PAM00088とは異なり、デビューした時より高めのモデルというキャラクターであり、常に高い価格帯に位置しているのです。

しかし最近の相場は、パネライやロレックスが全体的に安かった2011年より安くなるという傾向です。

オフィチーネパネライ ルミノール 44mm PAM00161¥544,456〜¥880,000(2024年11月21日現在)

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2011年8月
の安値(ヤフオク)
2017年7月
の安値(楽天)
変動額 残価率
オフィチーネパネライ
ルミノールGMT
PAM00161
中古 5年
11ヶ月
¥606,900 ¥568,000 -38,900 93.59%

値下がり状態とはいえ、現在価格は50万円台半ばと極端に安いわけでもありません。

そのため、安いとみるか高いとみるかの判断が難しいところではあるのですが、過去の相場と比べると明らかに安いといえるでしょう。

現在50万円台半ばだとロレックスGMTマスター2は買えませんが、2003年頃においてGMTマスター216710)の新品実勢価格はこの時計より遥かに安い水準でした。

その頃、GMTマスター2を持っている人でも「高いモデル」として憧れる対象だった可能性が十分にあるPAM00161ですが、現在はGMTマスター2より安い存在です。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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