ここ5、6年の間、流行りの腕時計の代名詞的存在であるウブロ。
そのキャラクターは、2000年頃のブルガリに似ている様子ですが、実勢価格は当時のブルガリよりだいぶ高い水準です。
素材にジルコニウムなど珍しい素材を使うことやラバーベルト使用率が高いという点がブルガリと似ていますが、今ではブルガリのポジションを完全に奪ったという印象。
現在のウブロの代表的なモデルを買おうと思った場合、なんとなく100万円程度という予算を覚悟する必要がありそうで、かなり高い時計というイメージがあります。
実際、人気モデルであるビッグバンを買おうと思ったら、中古でも90万円近い相場となるため、かなり高いことに変わりはありません。
とはいえ、そんなウブロの中でも50万円程度で購入可能なモデルが存在。
それは、人気のない旧型モデルというわけではなく、最新モデルの要素を備えているクラシックフュージョンです。
ウブロの場合、2000年代に行われたテコ入れによって、今のように「流行のブランド」となりました。
そのため、それ以前のモデルは「ちょっと違う」という印象にも映り、あまり高くない傾向なのです。
しかし、基本的なコンセプトは80年代から変わらず、ラバーベルトを積極的に使うデザインは過去のものも共通。
まして、金+ラバーというデザインを最初に導入したのはウブロであり、80年代に出たモデルは歴史的価値も感じます。
そのオリジナルデザインに対し、テコ入れ後の要素を取り入れ融合させたのがこのクラシックフュージョンなのです。
ビッグバンの3針モデルとも表現できるこのモデルは、シンプルな見た目の中にウブロの世界観が詰まっている魅力的なモデルだと感じます。
そして、2010年と比較して15万円以上も値上がり状態。
ウブロの場合、そのキャラクターから「流行りモノ」という印象があり、いつの時代も“今が一番高い”という感覚があります。
しかし、きちんと調べてみるとこのように値上がりしているモデルもあるのです。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2010年11月 の安値(ヤフオク) |
2017年7月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ウブロ
クラシックフュージョン 542.ZX.1170.RX |
中古 | 6年 8ヶ月 |
¥335,000 | ¥498,000 | 163,000 | 148.66% |
ウブロというブランドにおいて、その時計が値上がり傾向なのか、値下がり傾向なのかを判断するのはかなり難しいという事情が存在します。
その理由こそ、無数に存在するリファレンスの数であり、一見似ているモデルでもリファレスが異なる違うモデルということもあるのです。
そして長いリファレンスゆえに、リファレンスでモデルを判別するという文化が定着していません。
そのため、同じように見えるモデルでもきちんとリファレンスをチェックしないと、値下がりか値上がりかを判断するのが難しいのです。
例えば、同じような見た目でもある年を境にモデルチェンジされた場合、モデルチェンジ後のモデルは出たばかりであるため高くなる傾向があります。その場合、「値上がりしている」と判断してしまう可能性があるのです。
人気もインパクトも強いウブロというブランドですが、無数にリファレンスが存在するため、値上がり傾向となるのは珍しいような気もします。
ちなみにウブロの3針ムーブメントはHUB1112という型番なのですが、そのベースはセリタSW300。
セリタ製ムーブメントに対するブランド価値はあまり良くないですが、この時計の価格に見合っているかという点においては、懸念材料の1つだと感じます。