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現在相場考察

魅力的な、パテックフィリップゴールデンエリプス3738

2017年7月21日更新
パテックフィリップのゴールデンエリプスについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2011年春頃の安値(タイムトンネル)と2017年7月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。このでの変動は¥611,800だった。

ゴールデンエリプス 3738/100R-001についての考察(2017年7月)

ゴールデンエリプスといえば、パテックフィリップを安い順で見たときに最も目立っているという印象。

例えば100万円を切るパテックの場合、カラトラバ手巻きモデルが多いという印象ですが、それより更に安いのがゴールデンエリプスです。

クラシカルとも感じられる見た目から、既に生産終了になっているかと思いきや、いまでも現行モデルであるゴールデンエリプス。一見すると、魅力がないモデルにも見えてしまいますが、実は知れば知るほど好きになる存在です。

エリプスは古臭いモデルとも見えるのですが、それがだんだんツボになってくるという共感覚に訴えるような個性は、ノーチラスとかなり共通しているのです。

かつてのノーチラスの印象は、近代的なアクアノートに対して“古臭い”という存在。しかし、見慣れてくるとそのノーチラス強烈な個性がたまらなくなるのです。

食通にしか味が分からない珍味のような存在だったノーチラスは、理解できる人が増えた結果、世界中で人気のある強いモデルへと変化しました。

シンプルであるのに強烈な個性を放つエリプスは、パテックフィリップでしか存在しえない独特のモデルとして、ツウとしてはたまらない1本。

しかし、ゴールデンエリプスはまだまだマニアックな存在として、その魅力に気づいている人が少ない傾向だと感じます。

エリプスの場合、最も安いモデルは50万円台で買えるのですが、それは80年代頃までに製造されたと思われる手巻きモデルの価格。自動巻のキャリバー240を搭載する現行エリプスは、それより2倍以上高く、安い時期でも100万円を大きく下回ることはありません。

さらに定価は300万円近いことから、現行モデルの流通はほぼ無く、更に青文字盤以外の色を選ぼうと思ったら中古での購入難易度はかなり高いといえるでしょう。

そして今回、ブラウン文字盤のローズゴールドモデルを久しぶりに発見。

過去価格と比較して値上がりしているものの、これだけ強烈な個性を放つ希少価値の高いモデルとしてお買い得だとも感じます。

(現在参考の腕時計がありません)

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2011年春頃の安値(タイムトンネル) 2017年7月
の安値(楽天)
変動額 残価率
パテックフィリップ
ゴールデンエリプス
3738/100R-001
中古 6 ¥999,800 ¥1,611,600 611,800 161.19%

青文字盤のゴールデンエリプス3738はたまに見かけ、その価格は130万円程です。

それと比べると文字盤色が違うだけで高いというのは割高だとも感じますが、現在価格は2005年頃のノーチラスのようにも感じます

2005年頃においてノーチラスは過去価格と比べて既に40万円程度値上がり。そのため、かなり割高という印象があったのです。

ただ、その頃における過去価格というのは100万円以下という水準。ですから、2005年におけるノーチラスの価格は、今となってはかなりびっくりするほど安いという感覚になるのです。

ノーチラスと同じく、強い個性を備えるエリプスはまだまだ注目されていない存在であるため、人気が出たら今の相場が「安かった」と思っても不思議ではありません。

ただ、ノーチラススポーツモデルである一方、ゴールデンエリプスはそうでないという点から、ノーチラスと同じ道を歩まないという見方もあるでしょう。

しかし、ゴールデンエリプスの強い個性は、ノーチラスを凌ぐほどのモノがあり、その潜在能力はとても高いと感じます。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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