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現在相場考察

人気がある、ロイヤルオークデイデイトムーンフェイズ

2017年7月24日更新
オーデマピゲのロイヤルオークについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2009年冬頃の安値(タイムトンネル)と2017年7月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。このでの変動は37万950円の値上がりだった。

ロイヤルオーク デイデイト ムーンフェイズ 25594STについての考察(2017年7月)

元祖、雲上スポーツモデルであるロイヤルオークは、スポーツモデルにプチコンを採用するという点でも先行者な存在です。

今では、ライバルであるパテックフィリップノーチラスにプチコンモデルがあるというのは当たり前ですが、ノーチラスのプチコンモデルが登場したのは2005年のこと。

また、ヴァシュロンコンスタンタンオーバーシーズには2代目モデルから左右非対称デザインのデュアルタイムが存在しますが、それが出たのは2006年頃。また、初代から存在するクロノグラフが出たのは1998年です。

一方、ロイヤルオークに複雑モデルが登場したのは1981年のこと。

その際デビューしたのは永久カレンダーというグランドコンプリケーションに相当する複雑モデルで、その後、このデイデイトのようなプチコンに相当するモデルを展開しました。

デイデイトといえば、ロレックスの印象ですが、ロイヤルオークのデイデイトはその見た目とは異なり、クロノグラフのようにインダイヤルがあるデザイン。

インダイヤルでカレンダーを示す時計は、かつてネットや海外で売られていた安価なコピー商品のクロノグラフ代用モデルというイメージがあるためか、不人気となることもあるようですが、このロイヤルオークのデザインは二つ目であるということが作用して、それら不人気要素とは離れたデザインの印象です。

また、このモデルのようにムーンフェイズが付く場合、より高級感のある印象となり、とても魅力的な見た目となっています。

ですから、このロイヤルオークのデイデイトムーンフェイズは、2009年と比較して40万円近い値上がり状態

ロイヤルオークはラインアップが多いということと、3針以外のモデルについての知名度が低いというハンディある中、このデイデイトムーンフェイズのようにマニアックな傾向が強いモデルが40万円近い値上がりというのは立派だといって良いでしょう。

オーデマピゲ ロイヤルオーク(現在参考の腕時計がありません)

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2009年冬頃の安値(タイムトンネル) 2017年7月
の安値(楽天)
変動額 残価率
オーデマピゲ
ロイヤルオーク
デイデイト
ムーンフェイズ
25594ST
中古 7 ¥689,800 ¥1,060,750 370,950 153.78%

この時計のデビューは古く、確実なデビュー年は不明ですが、確実に80年代から存在。そのため、AUDEMARS PIGUETのロゴ部分が過去の字体と現在のフォントの個体がありますが、相場に大きな違いはない模様です。

基本デザインが80年代という点は、ロイヤルオークとして人気要素が弱くなりがちですが、それでも値上がり傾向なこの時計。

確かに、今の相場において90年代の3針モデルの相場と比べて、現在価格は適正価格だと感じます。

しかし、先のように、

  • 不人気要素となりがちなデビュー時期
  • 分かりづらいモデル
  • というハンディがあり、これら要素を備えるモデルは他ブランドであれば値上がりとなっていない場合がかなり多い傾向。

    にも関わらずしっかりと値上がりしているこのロイヤルオークは、さすが三雲ブランドというだけでなく、ロイヤルオークの人気とこのモデル自体に強い人気があるということを示しているように感じます。

    この記事の執筆者
    斉藤由貴生
    腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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