2002年にフランクミュラーがポストロレックスとして大ブームとなりましたが、その翌年頃より「フランクミュラーの次」を求める人にとってたまらない存在だったのがロジェデュブイです。
フランクミュラーといえばトノー型というイメージに対して、レクタンギュラーという印象を抱かせることに成功していたロジェデュブイ。
フランクミュラーにもレクタンギュラーのモデルがあり、それは現在このロジェデュブイより遥かに知名度があると思われる「ロングアイランド」という有名モデル。
しかし、ロングアイランドという強い存在があるのにもかかわらず、なぜ「レクタンギュラーといえばロジェデュブイ」となったのでしょうか。
それは出た時期がマッチモアのほうが先だからです。
ロングアイランドが登場したのが2000年であるのに対し、マッチモアの登場は1998年。
ただ、ロジェデュブイにとっては先にフランクミュラーが流行ってくれた、という状況は良かった出来事かもしれません。
というのも先のように、このマッチモアはフランクミュラーの次に買う存在というイメージでした。
ロジェデュブイの要素はてんこ盛りな内容のため、フランクミュラーという基準が先にあったことで、理解可能なブランドとなれたのだと感じます。
フランクミュラーと同じようなインパクトながら、ムーブメントは自社製かつジュネーブシール取得という内容。
なおかつ、ロジェデュブイ氏がかつてパテックフィリップに在籍していたという点も強い要素。これはパネライにおけるロレックスエッセンスのように、パテックフィリップのエッセンスとなって、ロジェデュブイに強い要素を与えます。
また、ロジェデュブイの各モデルは28本限定であり、この年間生産本数上限の設定というブランディングはまさにパネライと同様。
そのため、
という強い要素が揃っており、まさしくポストフランクミュラーとしてふさわしい存在だったのです。
しかし、その後ロジェデュブイは大きく注目されること無く、それは今でも変わりません。
また、比較されたフランクミュラーが現在値下がり状態であるのと同様、このロジェデュブイも値下がり傾向です。
そして驚くべきは、マッチモアはフランクミュラーのロングアイランドよりも遥かに安いという点です。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2008年10月 の安値(ヤフオク) |
2017年7月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロジェデュブイ
マッチモア M28 |
中古 | 8年 9ヶ月 |
¥680,000 | ¥609,900 | -70,100 | 89.69% |
マッチモアは、
という内容ですが、同じ価格で買うことができるロングアイランドはステンレスモデルです。
ロングアイランドの2針モデルの自動巻ムーブメントはカサブランカ等と同様に、ETAムーブメントをベースとしてプラチナローター仕様としているモノが搭載。
ムーブメントの価値はマッチモアのほうが遥かに高そうですが、それでもロングアイランドの金無垢モデルはマッチモアの2倍程度という相場です。
このマッチモア、かつてフランクミュラーの次に買う存在として、フランクミュラーより高く販売されていた存在。それは、この時計がジュネーブシール取得の自社ムーブメントということからも、自然な価格だったと思います。
しかし今となっては、同じ金無垢のロングアイランドと比べて半額程度で購入可能なのです。
この時計、ロングアイランドと比較するだけでなく他の時計と比較しても、自社ムーブメント、ジュネーブシール、金無垢という内容で約60万円という価格は「破格」といって良いでしょう。
ただし、この価格帯で買えるマッチモアは、横28mm縦39mmというサイズでありロングアイランドと比べると小ぶりなサイズ。
もう一つサイズが大きなマッチモア(横30mm縦50mm)は80万円以上という相場ですが、それでもロングアイランドより安いことに変わりはありません。