ロレックスの看板モデルであるデイトジャストですが、90年代後半から始まったスポーツロレックスの世界的人気により、今では逆にマニアックな存在となりつつあります。
そのため、デイトジャストは中古腕時計の選択肢としてはそこまで強く注目されない存在となっていますが、実はかなり面白みがある時計。
その大きな理由こそ、多種多様な文字盤という存在です。
さらにその文字盤ラインナップが単に“色が違う”“デザインが違う”というだけでなく、強い個性を備えたモノが多いという特徴があります。また、それら文字盤は数十年前から採用が続いているというように、伝統的なデザイン要素であり、単に「変わっている」というだけではない深みが存在します。
では、特徴ある文字盤はどのようモノなのかというと、
など独特なデザインのものや希少物質の文字盤が存在。
そして、それら特徴ある文字盤を装着するデイトジャストは、通常文字盤と比べて高い相場となっており、強い特徴ゆえに人気度が高いという傾向なのです。
しかし、それら特徴ある文字盤の相場は5桁時代と6桁時代では序列が異なるため、なかなか整理するのが複雑です。
まして、デイトジャストにはスムースベゼルのモデルも存在。
リファレンス末尾の2桁が、
フルーテッドベゼル(+5連ブレスレットの採用が多い)
スムースベゼル(+3連ブレスレットの採用が多い)
と大きく2種類存在。
また、それら2種類のモデルの価格位置も5桁と6桁では異なるという事情が存在するのです。
デイトジャストの主な中古相場
上から安い順に以下のような並び順になります。
5桁リファレンス:16233の場合
6桁リファレンス:116233の場合
5桁と6桁の相場序列の違い
5桁リファンレス、6桁リファンレスともに通常文字盤が最も安いというのに違いはないのですが、特に違うのがスムースベゼルである116203の位置です。
5桁リファレンスの16203はかなり高く、16233のシェル文字盤よりも高い価格に位置しています。
一方6桁リファレンスとなると同じスムースベゼルの116203は特に高いということもなく、フルーテッドの116233と同じ相場。
実際、5桁でも6桁でもスムースベゼルのデイトジャストはかなり数が少ないため、希少なモデルに違いはありません。
また、その他に5桁と6桁の価格序列が違う点としては、5桁時代のグラデーション文字盤の評価が高いという点や、6桁時代のシェル文字盤の高さが目立ちます。
いずれにしても、
という文字盤が人気なことに変わりはなく、特に10P+シェル、10P+コンピュータという組み合わせが高い傾向です。
コンピュータ文字盤は10Pダイヤでないモノも存在しますが、実はダイヤありと無しでは、仕様が若干異なります。
通常文字盤だと上段、下段の表記が通常のデイトジャストと同じなのに、10Pとなるとその表記は上段では「ROLEX」、下段では「DATEJUST」のみというかなりシンプルなものとなるのです。
このシンプルさこそが独特な印象であり、『特別な』とか『高いモデル』という印象を抱かせます。
ですから、この10Pダイヤのコンピュータ文字盤は5桁でも6桁でもなかなか人気の組み合わせで高く評価されているのです。
しかし、その10Pダイヤ+コンピュータ文字盤の中には意外にもお得に買えるモノが存在。
それがこの116203Gです。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2009年2月 の安値(店頭価格) |
2017年8月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
デイトジャスト コンピュータ文字盤 116203G |
新品 | 8年 6ヶ月 |
¥768,000 | ¥848,880 | 80,880 | 110.53% |
先のようにスムースベゼルは希少種かつ、5桁リファレンスではかなり高値となる要素です。
そして、それに加えて10Pコンピュータ文字盤という人気要素が加わっているのにもかかわらず、その現在価格は116233の同仕様と同じです。
ちなみに、5桁リファレンスの16233の10Pコンピュータ文字盤を買おうと思ったら、現在60万円程度という額になるため、約25万円追加すればこの6桁リファレンスが買えてしまうのです。
6桁リファレンスのデイトジャストの通常文字盤は5桁より遥かに高く、現在30万円台後半で購入可能な16233に対して116233は65万円以上という水準。そのため、5桁と6桁との価格差は30万円程度となります。
また、16233の場合、通常文字盤と10Pコンピュータとの価格差は20万円以上という水準です。
そのため、それら事情を組み合わせると、様々な人気要素を備えたこの116203Gはかなりお買い得と感じるのです。
ちなみに、数が少なすぎて過去の中古価格は確認できませんでしたが、この記事と同じ仕様の116203Gにおけるリーマンショック後の新品実勢価格は76万円程度。
そして、そこから比べると新品時より値上がり状態でありますが、ロレックスとしてはあまり値上がっていない印象です。
ということでこのデイトジャスト、検討する要素が複雑なため分かりづらい存在ですが、なかなかお買い得なモデルなのです。
シンプルに表現すると、“濃い要素”と“人気となる要素”を兼ね備えている割には安めである、という表現になるかと思います。