腕時計投資新聞

腕時計の[買う・使う・売る]すべてを楽しむ専門サイト「腕時計投資ドットコム」
現在相場考察

ダイヤ金無垢でもステンレスとほぼ同価格、パテックフィリップノーチラス3800/1J

2017年8月11日更新
パテックフィリップのノーチラスについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2016年6月の安値(楽天)と2017年8月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この1年2ヶ月での変動は25万4000円の値上がりだった。

ノーチラス ダイヤ文字盤 3800/1Jについての考察(2017年8月)

この半年の間にノーチラスの相場が一気に上昇しており、その様子はまさにデイトナ16520と同じような感覚です。

かつて新品が100万円以下、安い中古だと50万円台で売られていたノーチラス3800の青文字盤は、今となっては250万円以上という水準の超高級時計へと変化。

これは、かつての4桁リファンレスのスポーツロレックスのような値上がりであり、驚くべき状況です。

実際、4桁リファレンスが値上がりし話題になっていた際、青文字盤のノーチラス3800は50万円台で売られていたため、誰もがロレックスに注目している頃に買っておけば何百万円という単位で値上がりした時計です。

しかし、そんなノーチラスにおいてもう一つ驚くべき現象が起きています。

それは、金無垢モデルとステンレス青文字盤の価格差がほぼ無いという点。

最近、青文字盤のノーチラスは3800、現行の5711ともに値上がり状態ですが、それらは他の文字盤色と比べて数十万円高いという特徴があります。

そして、現在青文字盤の3800は250万円以下では売られていないため、金無垢モデルとたった20万円程度という価格差となっているのです。

さらにこの金無垢ノーチラスは、ダイヤ文字盤というさらに豪華な仕様。

通常ダイヤ文字盤という存在は、そこそこ評価されるため、高い付加価値となりますが、ノーチラスの場合はほぼ考慮されないという状況。

そのため、本来かなり高級である11Pダイヤ文字盤の金無垢モデルが、ステンレスモデルに20万円足せば買えてしまうのです。

(現在参考の腕時計がありません)

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2016年6月
の安値(楽天)
2017年8月
の安値(楽天)
変動額 残価率
パテックフィリップ
ノーチラス
ダイヤ文字盤
3800/1J
中古 1年
2ヶ月
¥2,480,000 ¥2,734,000 254,000 110.24%

ノーチラスの機械式モデルは、現在200万円以上出さないと買えないという超高級モデル。

ですから、その金無垢となれば200万円の倍、つまり400万円程度になっていてもおかしくないと感じるのですが、実はステンレスと対して差額が無いというのは興味深い点です。

通常、腕時計の中古相場は、金無垢モデルがステンレスの2倍から3倍、コンビが1割増しということが多い印象ですが、ノーチラスデイトナのようにステンレスモデルが“プレミア価格状態”となっているモデルの場合、金無垢とステンレスとの価格差が少ない傾向です。

ですからノーチラスのような高いモデルを買う場合、金無垢モデルという存在は「なんとなく高そう」と見逃しがちとなる存在ですが、実はステンレスとほぼ同じ額で購入可能というある種のお買い得モデルであるのです。

さらに金無垢ノーチラスの場合、5年前の価格と比べて値上がり状態かつ、1年前と比べても値上がり状態。

そのため、単にお買い得というだけでなく、しっかりと値上がりする強いモデルという側面も持ち合わせています。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
本コンテンツには、主観的評価、見解、想定における情報が含まれています。運営者及びコンテンツ提供者は、コンテンツ内容の正確性、確実性、完全性における保証を行いません。また、コンテンツ内容にかかわる損害・トラブル等に関する一切の責任を負いません。本サイトに記載されている情報は、特に断り書きがない限り、更新日時点での情報に基づいています。