最近、急激に値上がり状態のスポーツロレックスですが、その中でも最も値上がりしていないのがエクスプローラの14270です。
14270こそロレックスブームのきっかけを作った時計であり、現行時の相場は新品中古ともにプレミア価格状態。
当時の定価は34万円ほどだったのに対し、最も高いときでは60万円台で売られているということもあり、プレミア価格でも多くの人が買っていた様子です。
当時のSSスポロレの価格序列では、デイトナを除くと最も高い存在。そのため、ロレックスブーム時において、今ではエクスプローラより遥かに高いサブマリーナやGMTマスターを妥協して買ったという人もいるでしょう。
しかし、かつてこれだけ人気だったエクスプローラは、現在そこまで人気がない様子。
スポーツロレックスの中で最も安いというだけではなく、現在「唯一30万円台で買えるスポロレ」という不名誉な状況です。もっとも現在の相場でも当時の定価より高い水準ですが、今の相場からして相対的に安いことに変わりはありません。
そして、最近まで最終品番であるP番までもが、他の年式と同じ30万円台後半という相場でした。
同じ時期に生産終了となったデイトナ16520のP番を見て明らかなように、最終品番のモデルは他の年式より高いという傾向があります。
ですから14270というインパクトあるモデルのP番が他モデルと同じ相場というのは安かった状況でした。
とはいえ、かつてP番の14270は評価される傾向だったため、P番の価値が他の年式と同じ相場という現象は、この数年に限ったことでした。
そして、最近P番の14270に対する希少性が薄れてきたと思いきや、やはりP番の14270は強かったのです。
というのも最近、再度P番のエクスプローラが値上がり状態となっているからです。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2016年10月 の安値(楽天) |
2017年8月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
エクスプローラ (P番) 14270 |
中古 | 0年 10ヶ月 |
¥389,000 | ¥440,640 | 51,640 | 113.28% |
興味深いのはエクスプローラ14270の相場は依然として30万円台後半という状況が変わらないのに対し、P番のみ40万円台半ばと相場が上昇している点。
ちなみに、この記事の個体は約44万円ですが、これ以外は47万円以上という水準であり、昨年10月比べて10万円近い値上がり状態となる兆しを見せています。
これまで14270の最終モデルが値上がりしなかった理由として考えられるのは、114270の存在です。
他のモデルもそうですが、事実上マイナーチェンジというべきモデルの最終年式はあまり評価されない傾向があります。
14270から114270への変化内容は、ムーブメントの違いとベゼルの付け根“フラッシュフィット”の中央が一体型となった点。
同じ内容の変更が行われたエアキングなどの場合、リファレンスの末尾に「M」がつくという変化だったため、これは事実上のマイナーチェンジと判断されるのは自然なことです。
とはいえ14270はロレックスブームの際に「最も憧れられる」というモデルだったという歴史があります。
さらに14270には、
- シングルロック ダブルロック
- トリチウム ルミノバ
という年式による仕様違いがありますが、
SWISS表記には古い順に以下の3種類が存在。
- T SWISS-T <25
- SWISS
- SWISS MADE
T番(1996年)までは「T SWISS-T <25」表記で、U番(97年)の途中から発光塗料がルミノバになったため「SWISS」表記に変更。
さらにA番(99年)の途中で「SWISS MADE」表記になったため、P番は最も新しい「SWISS MADE」表記しかありません。
14270のP番には最終モデルらしい魅力的な要素が含まれるだけでなく、それがデイトナの希少品番と同じ「P番」という点もグッと来るポイントです。