2017年の相場において腕時計を買おうと思ったときに、そこそこ人気があるモデルを買おうと思ったらどのモデルでも中古で25万円以上というモノが多いと感じます。
25万円という額は、高級腕時計に慣れた人にとってギリギリ気軽に買える額である一方、使用頻度が低くなりそうな遊び時計をポーンと買うには惜しい額。
実際2本買えば50万円になってしまいますし、4本買えば100万円です。
それが10万円前後の時計となると、うまく買えば4本買っても総額を30万円台で済ますということができるようになります。
さらにこのぐらいの金額の時計の場合、「傷がついても気にしない」というように、使い果たす枠の1本としてコレクションに加えたら、意外と重宝する存在となるかもしれません。
しかし、かつてはこの価格帯で買うことができたオメガやチュードルは今となっては値上がり状態。先のように25万円以上となっているモデルが目立ちます。
では、10万円前後で面白いモノがなくなったのか、といえば決してそうではなく、むしろ面白い個体が増えていると感じるぐらいです。
それは、かつてオメガより定価も新品実勢価格も中古相場も高かった時計が、10万円台前半で購入可能という点。
今まで何度か記事でもお伝えしましたが、最近ブルガリやカルティエでそのようなモデルが目立ちます。
特に安いと感じるのはブルガリですが、かつてサブマリーナ16610が新品約35万円だった時代に新品が42万円程度だったスクーバクロノやスポーツクロノは現在程度の良いモノでも10万円台前半という相場。
そして、その頃30万円近かったカルティエのパシャCも同じような相場です。
これらの腕時計は、定価や実勢価格が高かっただけあって、高級感を感じさせる造りであるのにもかかわらず、現在10万円台前半で買えるというのは、なかなか満足感が高そうだと感じます。
例えば、かつての新品実勢価格が10万円台だった時計と40万円台の時計が、今の中古相場で同じ価格という現象はよくありますが、かつて高く売られていた時計の品質のほうが高いというのは自然なことです。
ですから、本来高級だった時計が“人気がない”ということにより安く売られている場合、とてもお得感を感じます。
そして、このような価格帯の腕時計の場合、先のように自由な使い方をするハードルが精神的に低いことから、通常の腕時計購入とは別の視点で買うことを検討できます。
さらに10万円台前半の時計の場合、「すでに底に近いぐらい値下がりしている」とも読み取れる状況であるため、これ以上値下がりしたとしても“たかが知れている”という感じでさらに気が楽であるのです。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2010年9月 の安値(ヤフオク) |
2017年8月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
カルティエ
パシャC W31044M7 |
中古 | 6年 11ヶ月 |
¥198,000 | ¥138,240 | -59,760 | 69.82% |
例えば筆者の場合、パシャCの白文字盤が好きなのですが、この白文字盤の見た目はかなり女性的であるため、買ったとしても『ほぼ使わないだろう』ということは買う前から予測できます。
しかし、今となっては10万円台前半で買うことができるため、「使わなくてもよい」という気で気軽に買うことができると思うのです。
実際使わなかったとしても、好きな見た目の時計がコレクションボックスの中にあるというだけで、かなりの満足感を得られるのは確かです。
ちなみにパシャCの場合、この白文字盤だけでなくいろいろな文字盤が同じ相場です。
もしも20万円程度であれば、「本当は白文字盤が好きだけど、着ける機会が少なさそうだから他の色の文字盤にしよう」という発想になるかもしれません。
しかし、先の通り10万円台前半だと気軽に買えるため、そのような観点を無視することが可能です。
ということで10万円台前半程度の時計を遊び枠で買う、というのはなかなか面白い買い方であると感じる一方、その選択肢で狙えるお買い得なモデルが今の時代において意外に多いというのはなかなか良い状況だと感じます。